稽古場にはいないスタッフへの伝達事項もたくさんあります。それらはほとんどが打ち合わせで決められていますが、稽古をしてみて変更、また新たに加わる箇所も多々ありますから。
「このセットを出すタイミングはこう変更」「こんな小道具を追加して下さい。」「ここにBGM流して下さい。」「急遽、帽子を使うことになったんですが…」……
大道具、小道具、照明、オーケストラ、衣装部…。各スタッフが舞台稽古までに完璧に準備できるよう、稽古にかかりきりの演出家に代わり、詳細を伝えなければなりません。
稽古を真剣に見つめていたと思えば、稽古場を急に飛び出し、また走って帰って来る助手らは、稽古を進行させながらも、打ち合わせに余念がありません。
スケジュール調整も大変な作業でしょう。
一ヶ月余りの稽古期間中、ほぼすべての生徒はいつどんな日でも稽古に出られますが、中には撮影や何かのイベントが入っている生徒もいます。生徒Aさんが出られない日は、Aさんの出演しない場面の稽古に変えるなどして調整。
そして携わる多くのスタッフ。歌劇団専属ではない外部のスタッフは、他の仕事も抱えています。先方の都合とこちら側の都合、また稽古の進み具合によっての調整ということになります。
一本立てやバウホール公演などでは関係ありませんが、本公演は芝居とショーといった二本立てがほとんど。それぞれに別々の助手が付きます。
一ヶ月余りの間、平行して行なわれる芝居とショーの稽古。「この日は芝居、この日はショー」と、各作品の助手が連帯して、それぞれのスタッフらのスケジュールに合わせて稽古日程を決めるのも大変なことでしょう。