VCD カエル急便 |
最初の連ドラ版の第二話「愛と復讐の宅配便」で和久(いかりや長介)に送られた爆弾付き健康チェアを届けた業者として初登場。その後も登場するたびに事件が起きることから「不幸を運ぶカエル急便」と呼ばれています。
映画最新作『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』では湾岸署のお引っ越しということもあり、いつも以上に登場しています。
カエル急便は『踊る』シリーズのみならず他のフジテレビドラマにも登場、ドラマ世界のオリジナルブランドとして定着しています。
しかしドラマ世界にはカエル急便以外にも知る人ぞ知るオリジナルブランドがあります、NHKに。
会社名をださない
NHKは公共放送のため、ニュースの場合を除いて特定の企業名や商品名を基本的に出しません。トヨタを『NHKスペシャル』が取材した場合は「ある自動車メーカー」と呼び、ビジネス番組『ルソンの壺』だと豊田章夫社長をゲストに迎えて「豊田さんの会社」と呼ぶでしょう(「トヨタ」と呼ぶのとそれほど変わらないけど)。もちろんドラマの中でもそう。実際にはない名前が使われます。しかしこれはNHKに限ったことではありません。小説や映画も同じです。もっとも使われる架空の会社名・ブランド名というと「毎朝新聞」でしょうか。
そんな中でもNHK独自のものもあります。それはビール。ビールは小説の場合はただ「ビール」と書けばいいし、映画や民放ドラマではスポンサーや美術協力としてクレジットしておけば実在のビールを出せます。しかしNHKはそうはいきません。昔からビールのラベルが見えないように置いたり、どうしても映ってしまうような場合は事前にラベルにテープを貼って見えないようにしていました。
アサヒじゃなくヒノデ
朝日じゃなく日の出 |
使い始めたのは正確にはわかりませんが、ガイドが気がついたのは96年、富田靖子主演のドラマ新銀河『いらっしゃい』。出戻ってきたヒロインが実家の酒屋を建て直すというストーリーで、舞台となった酒屋の中にヒノデビールの箱がド~ンと積み上がっていたので気がつきました。
見逃しているだけでもう少し前から「ヒノデビール」ができていたのかもしれませんが、酒屋舞台のドラマを機にまとめてつくるということは合理的だし、またモデルらしいスーパードライがキリンラガーを抜いてナンバー1になったのは月間では96年6月、年間では97年というのとも符合します。だいたいこの頃にヒノデビールが誕生したんじゃないんじゃないでしょうか。97年に生まれた「カエル急便」よりも歴史ありますね。
その後、NHKドラマではヒノデビールの全盛時代が続きます。また民放ドラマでも、未成年者飲酒のシーンなどで実在のビールがはばかられる時、使われることもありました(ということは外注の会社がつくっていてNHK以外でも使える契約なんでしょうか)。「カエル急便」も「不幸を運ぶ」から実在の宅配便が使えないことから生まれただろうから、同じですね。。