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大河ドラマ女性主人公はもうネタ切れ?(2ページ目)

2011年の大河ドラマは『江 ~姫たちの戦国~』で織田信長の姪で徳川秀忠の正室、浅井三姉妹の三女の「江」が主人公。この企画、いつかはくるだろうとは思ったのですが意外に実現ははやかった。その理由は?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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女性路線はうける

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三姉妹の中では淀殿は現在の『天地人』では深田恭子が演じるなど、さんざん大河ドラマに登場。たぶん秀吉正室・ねね/北政所と並んで大河ドラマの女性最多登場キャラでしょう。しかし最後は大坂城で自害し、一般には豊臣家を滅ぼした戦犯あつかいだけに大河ドラマ主人公には不向き。

だから主人公になるとしたら次女・初か三女・江。初は姉・妹の相手と比べるとさえない夫をもり立てて出世させたといわれ、また夫の死後は対立の激しくなる豊臣家・徳川家の仲介に奔走するなど自由に動けてなかなかおもしろいキャラですが、今回は三女・江で。

『篤姫』のヒットで大河の女性路線はうけると気がついたNHKがいずれは大河ドラマに取り上げるであろうと思っていました(『江』の脚本も『篤姫』と同じ田渕久美子)。

残された歴史上の女性は少ない

その一方「もう取り上げるのか」という気もします。というのも、大河ドラマで取り上げるような歴史上の女性のタネが尽きつつあるからで、浅井三姉妹は最後の大ネタといえるもの。

これまでに大河ドラマで実在の女性が主人公(級)のものをまとめてみました。



もっとも目立つのは時代の変わり目に天下人の妻として活躍した女性たちです。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝の正室で実質的に幕府を仕切った北条氏出身の北条政子。室町幕府が実質的に終わり戦国時代になるきっかけとなった応仁の乱の原因をつくったといわれる日野富子。安土・桃山時代を生きたねね/北政所。江戸幕府の最後をみとった篤姫。
浅井三姉妹は桃山時代の最後と江戸時代の初めですね。

『利家とまつ』『功名が辻』の大名の妻路線というのもありましたが、『利まつ』ではまつがやたらと「わたくしにお任せくださいませ」としゃしゃり出て、歴史上の重要な事件に無理矢理からむ、たとえば北条氏を滅ぼした小田原攻めにも前触れもなくあらわれてすぐに帰り、あの移動は新幹線でもない限り不可能じゃないかという展開がかなり疑問でした。『功名が辻』も『利まつ』ほどではないけど同じような傾向があり、やはり『篤姫』のように実際に歴史で重要な役割を果たさないとむずかしいようです。

それ以外では川上貞奴は女優、文化人路線ですけど後がつづきません。

ということで「時代の変わり目に天下人の妻として活躍した」女性で残りはほとんどいません。『平家物語』の幕引きをする建礼門院・平徳子などもいますが平家が滅亡して暗い終わり方にしかなりそうにないし。
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