よくいわれている
・人気俳優の取り合いで長期間の出演契約が難しくなり、サイクルをそろえていた方がスケジュールが取りやすい
・2クール以上だと視聴率不振の場合は打ち切りになるけど、1クールなら数話短縮で済み傷が浅い
・スポンサーがつきやすい
・年末年始/期首改編スペシャルの期間が長くなり、その間やすんでいると忘れられる
・視聴者の興味が長く続かなくなった
これらの理由について正しいのかどうか検証します。
トレンディ俳優のスケジュールはきびしい
トレンディ・ラヴァーズ~“恋する妻”のコンピレーション |
たしかにこの期間は全員引っ張りだこです。たとえば石田純一に89年の秋に連ドラ出演を依頼しようとすると『同・級・生』が終わって『想い出にかわるまで』の間の10~12月ののドラマにするのが時間を有効活用できていいでしょう。
打ち切り!
「2クール以上だと打ち切りになるけど、1クールなら数話短縮で済むから傷が浅い」はどうでしょうか。たしかに1クール毎のドラマが不振の場合、短縮はあっても(それも打ち切りなんですけど)、後番組として新たな連ドラをつくるようなことはありませんね(そもそも後番組を新たにつくる時間がない)。数話短縮レベルではなく打ち切りになった連ドラで記憶に残るのは92~93年までさかのぼります。92年にTBSで放送された『社長になった若大将』は2クール放送予定が16回で打ち切り、その後、主演の加山雄三はそのままに『夏の嵐!』を7回放送。
そして93年はJリーグ発足の年、ブームに乗って『オレたちのオーレ!』『もうひとつのJリーグ』『青春オフサイド!』とサッカードラマがつくられましたが現実のサッカーの魅力には到底及ばず軒並み打ち切り。『オレたちのオーレ!』は2クールの予定が1クール・10回で終了、『もうひとつのJリーグ』は1クールの予定が7回で終了、『青春オフサイド!』は当初予定は不明ですがわずか4回で終了。
この「Jリーグ」ショックにより打ち切り恐れたのか、これ以降で刑事・事件ものドラマや時代劇などを除いて2クール以上の連ドラは少なくなりました。