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木村拓哉CHANGEは連ドラの形を変える?(前)(2ページ目)

異例の5月スタートが話題の木村拓哉主演の『CHANGE』。その狙いはなんなのか、そもそもなぜほとんどの連ドラは1月、4月、7月、10月に一斉に始まり約3ヶ月で終わるのかということから考えます。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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なぜクールというのか?

クールはかなり一般化した業界用語ですが、そもそもの語源ははっきりしてません。
朝日新聞のコラム「ことば力養成講座」でクールを扱った回によると、フランス語の「cours(講義、流れなど)」由来説が有力だけど、フランスでは日本のような用法はないようです。元TBSのプロデューサー・ディレクターで制作会社・カズモの大山勝美社長は「結核治療でストレプトマイシンを1クール試すなどといった」とドイツ語の「kur(治療期間など)」が元ではないかと、との見方をしています。

日本のテレビ局がクール単位で考えるようになったのはプロ野球、巨人戦中継が大人気だったことが大きいのではないかと思います。野球中継のシーズンは4月~9月。それにあわせて上半期と下半期で大きく番組が違い、さらに下半期は年末年始をはさんで3ヶ月単位に。そうすると上半期も同じく3ヶ月単位にそろえた方が考えやすい、ということで春夏秋冬の1クール毎になったんではないかと。
 

いつから1クール別になったのか?

月9 オリジナルサウンドトラック ベストセレクション
月9 オリジナルサウンドトラック ベストセレクション
ずっとドラマを見ていた印象として、昔からクール毎に開始/終了するドラマは多かったのですが、そうじゃないドラマ、中途半端なタイミングで始まり中途半端なタイミングで終わるドラマも少なからずありました。
そこで過去のドラマの放送期間から、いつごろ現在のようなクール毎の体制になったのかを調べて見ました。そこで浮かび上がってきたラインは「88年」、変わったきっかけになったのはフジ系月曜21時枠、いわゆる「月9」です。
 

トレンディドラマとともに

月9が始まったのは87年で『アナウンサーぷっつん物語』などいわゆる業界ドラマでヒットします。その87年は『男が泣かない夜はない』が5/18~7/27などクール毎に収まっていません。
ところが翌88年になるとトレンディドラマ第一作『君の瞳をタイホする!』が1~3月放送で、以降『CHANGE』で崩されるまで20年、1クール毎の放送を続けています。
他にも『男女7人』や『パパはニュースキャスター』などのヒットがあったTBS系金曜21時枠は、87年は長渕剛主演の『親子ジグ・ザグ』が4/10~8/21とクールの壁を破っていますが、88年以降はこの枠が終了する01年まで1クール毎の放送になります。
 
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