「希望格差社会」そして『菊次郎とさき』との関連でもう一つ浮かび上がってくるのが「貧富の差」。昭和中期はまだ学校だけの教育で逆転が可能でしたが、現在は塾や私立校など金をかけた方が学習面では優位。これによる勝ち組・負け組の固定化を「希望格差社会」(山田昌弘)が指摘しています。特に『ドラゴン桜』では「借金」「小料理屋の娘」「兄弟二人を東大にやるのは無理」などと生活の苦しさがでています。 キーワードは「学力低下」と「ホリエモン」今、なぜ教育をあつかったドラマがヒットするのか?もちろん教育は永遠のテーマです。受験、いじめ、ひきこもりなどさまざまな問題が継続してあります。しかし今『女王の教室』や『ドラゴン桜』のようなドラマができたのは、世界レベルでの学力比較で日本の学力が低下したことがきっかけでしょう。ゆとり教育からの反動で学力重視がいわれますが、ゆとりか学力かの二者択一の問題なのか?ということを教育ものドラマは逆説的に問題としているように思います。 加えて「ホリエモンショック」。ニッポン放送騒動の中で、もうけることが目的であり、そのためなら法律に触れない範囲でなんでもやるという堀江社長の生き方、育てられ方がかなり話題になりました。 それを反映して、現実的、経済的な観点で人間いかに生きていくべきなのか?を問い直しているように思えます。 そして、問い直しているドラマは教育ものだけではありません。多くのドラマが生き方を問い直しているように思えます。 『海猿』と『幸せになりたい!』は自分のやりたいことをやれば苦労していても充実しているはなし、『がんばっていきまっしょい』は高校でしかできないことを一生懸命やろう、『はるか17』は勉強だけできてもしょうがないだし、『スローダンス』は夢を追い続けるのかどうかというドラマです。 そして『女系家族』だってそうです。資産を残しても相続税やら遺産争いやらでろくな事にならないということを示しています。 金を残すよりも教育をちゃんとした方がいい、教育は税金のかからない最高の相続だ!といっていると見るのはうがち過ぎでしょうか? 関連リンク 子供と遊ぶ・学ぶサイト:あなたはどう見る「女王の教室」 ガイド記事:ドラマもキターッ!電車男 ガイド記事:スタッフから見る夏ドラマ |
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