自分の力でなんとかする
『女王の教室』で神田和美(志田未来)がいじめられた時「やめろっていって、やめますか?あなたがかばえば余計にイジメはエスカレートしますよ。大事なのはイジメに立ち向かう精神力です、イジメに立ち向かう知恵を持つことです。」といいます、ごもっとも。そして耐えられずに泣く和美に向かって庇護を与える代わりに、服従を求めるますが、そうでなければ「悔しかったら自分の力で何とかしなさい、誰にも頼らず、自分の力で・・」というなど、試練に対して立ち向かっていき自立することを教えているようにみえます。
和美から「先生、私、もう逃げませんから」といわれてかすかに微笑みますが、なんとなくうれしそうな。
(しかし試練に耐えて成長できればいいけど、トラウマになったら取り返しがつかなくなると思うんですが……)
そんなことを書いていたら、8月13日放送の第7話ではもっと直接的な強いセリフがでてきました。「自分ではなにも考えられない思考停止人間になるだけ」「自分の人生ぐらい自分で責任を持ちなさい」と。
『ドラゴン桜』では桜木はやたらと「東大へいけ!」といっています。しかし自分は東大を目指していながら、結局いかなかったことが明らかになります。
そのかわり「でも、弁護士にはなりましたよ」と。これは東大へいくことより「自分のやりたいことを見つけてそれを目指してやっていくことの方が重要なんだ」といっているように見えます。目標がないならとりあえず東大を目指しその過程でやりたいことを見つけろと。
「昭和」はそうだった
まとめてみて気がついたのは『菊次郎とさき2』も同じ構造じゃないか?ということです。「世の中の仕組みをしれ」は、さき(室井滋)のいう「学問がないからいい仕事にありつけない、いい仕事にありつけないからいつまでたっても貧乏だ、貧乏だから子どもを学校にやれない、学校にやれないから子どもは学問がみにつかない、学問がないからいい仕事にありつけない、貧乏は輪廻するから、貧乏を断ち切るには学問しかない」というセリフ。
「お前らは何もわかっていない」は「母ちゃんが北野家のルール」でみんな従うということ。
「自分の力でなんとかする」は兄二人は母ちゃんのいうとおりにして成功したけど、たけしは反発して別の道で大成功(こちらの方が勉強で身を立てるよりたいへんで成功率も低いですが)。
ということで『女王の教室』『ドラゴン桜』の隠れテーマは「昭和教育」の見直しなのでしょうか?程度の問題はありますが(その「程度」がものすごく大きいのが問題にされているところでしょう)。
・教育ものヒットの背景は?