未来は明るい?暗い?『曲がり角』でなつみと具体的に対比しているのが「ガードルとTバック」のファッションとか「階段を駆け上がる」体力、それに「自分がいない間にうまく仕切られた」仕事面です。この現実に直面して千春は負けるもんかとジムに通って鍛え、仕事も失敗を取り返すべくがんばるなど、あくまで前向きです。それに対し『anego』では具体的な対比はまだありませんが、絵里子は孤独と不安感をかかえており、奈央子の夢である「白馬に乗った王子様と運命的な恋」の先も決して幸せでないことを暗示しています。 また仕事も現時点では順調ですが、便利屋的に使われているだけでこのままいてもただ年をとるだけ。かといって一流商社の正社員だけに転職したってこれ以上よくなることは考えられず、先の見通しは不透明です。 どっちがリアル?両「負け犬」ドラマ、いろんな人の意見・感想を聞いておもしろいのは「どちらがリアルか」ということについて見方がわかれていることです。「『曲がり角』の方がリアル」派の意見は「『anego』は契約社員、派遣社員が仕事できなさすぎ!」「一流商社の新入社員に黒沢明彦(赤西仁)みたいなロン毛はいない!」で、「『曲がり角』の20代vs.30代の比較」があるあるという感じ。 対して「『anego』の方がリアル」派からは「将来を考えると不安」な内面的なところが共感され、『曲がり角』は「副社長と最初はケンカしてだんだん仲良くなるのはあまりに少女マンガ的」と思われています。 まとめると『曲がり角』は負け犬といいつつ気楽に楽しめる30代女性版古典的ラブコメとして楽しまれ、『anego』はまだまだ夢見ていたいが、そうもいってられないという現実的なところに共感する、とかなり違った見方をされています。そのため並び立っているのでしょう。 ガイド個人も、いきなり奈央子が視聴者に向かって語りかけるところにやられて最初は『anego』派でしたが、『曲がり角』も敵役だったなつみとだんだんわかりあってきたあたりから楽しめるようになりました。 |