さて、今回の『剣(ブレイド)』ではなぜそれが崩れてしまったのか?推測ですが、『アギト』『龍騎』『555』を担当した東映の白倉伸一郎プロデューサが抜けてしまったからでしょう。それは白倉Pがライダーシリーズを卒業し、次に手掛けた作品を見ればわかります。TBS系土曜朝7:30から放送の『美少女戦士セーラームーン』実写版なのです。
こちらでもセーラー戦士にタキシード仮面、敵の四天王などの美形キャラを演技経験の少ないモデル出身者を中心にしていながら、ドラマとしてちゃんと成立させるというライダーシリーズの成功パターンを繰り返しています。特にセーラー戦士の少女5人のキャラクター分けとキャスティングはこれしかない!というハマり方です。
白倉Pはしばしば「これだけのメンバーが集まったのは奇跡」とよくいいます。オーディションで集まったのは奇跡かもしれないけど、玉石混淆の中からピッタリの俳優を選んだのは実力ですね。
さて作品的にいうと、事前にはメイン演出と脚本が『仮面ライダー龍騎』の田崎竜太・小林靖子コンビということで期待していました。しかし03年10月の放映当初はセーラー戦士の少女たちの人間関係を中心としたゆるゆるのストーリー。
これで大丈夫か?と心配しましたけど、制作スタッフのインタビューを読むとこれは予定通りとのこと。実写版最大のねらいは「原作史上主義」。安易にゲストを登場させてストーリーを進行させるのではなく、レギュラー陣の内面を掘り下げたかったとのこと。
3ヶ月過ぎたところで敵・四天王中最強のクンツァイトが登場するとともに急展開、セーラーマーキュリーがとりこまれて敵になってしまうなどピンチになりますが、追い込まれたことからセーラー戦士たちも覚醒しパワーアップするというハードな展開です。
その一方でセーラームーン・月野うさぎ(沢井美優)がタキシード仮面・地場衛(渋江譲二)との三角関係に悩むという少女マンガらしい要素もあわせもっています。
半年経過の4月3日放送分までタキシード仮面は昔、地球のプリンスで、月のプリンセスだったセーラームーンと恋に落ちたことで世界が破滅したことが明らかになり、またタキシード仮面・地場衛がロンドンへと旅立つという節目で、一年放送の前半終了。
後半に突入する4月17日から、原作・アニメのちびウサに代わる新戦士登場、成功するか?セーラーマーキュリーの奪還などますます盛り上がります。
その他、イケメンヒーローのテレビドラマ展開で注目すべきは沢口靖子主演でおなじみの『新・科捜研の女』にレギュラーとして半田健人、泉政行、溝呂木賢の『仮面ライダー555』トリオがそろって登場。特に半田健人の男前レベルが高いだけに順調に成長していくことを期待したいですね。
ガイド記事:「変身ヒーロー発、連ドラ行き」
美少女戦士セーラームーン公式ホームページ
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