元華族の令嬢・瑠璃子(横山めぐみ)は杉野直也(葛山信吾)と恋仲だが、父親の借金のカタに新興成金・荘田勝平(大和田伸也)の妻にさせられる。瑠璃子と杉野は駆け落ちしようとするが事件により別れ別れになるというのが4月分。現在進行中の5月分で二人は再会するが、瑠璃子は娼館のマダムとなって「男社会に復讐する」と人が変わったようにいうのだった…
この13:30からの昼ドラマは、フジテレビ系列で東海地方を担当する東海テレビが制作する枠。1964年から始まり『あかんたれ』『ぬかるみの女』などのヒット作を持ち、『真珠夫人』で151作と伝統のあるドラマ枠です。今のドラマの主流とは違い、想像できない設定でドロドロとした愛憎を描くことを得意として「グランドロマンシリーズ」と呼ばれます。
この枠が注目を集めたのは『華の嵐』などの嵐三部作から。
第一作の『愛の嵐』はエミリー・ブロンテ『嵐ヶ丘』を原作に田中美佐子をメジャー化した作品で小ヒット。
ブレイクしたのは原作ではないけど『風とともに去りぬ』的ストーリーを展開した『華の嵐』から。「ごきげんよう」のセリフなど高木美保のお嬢様演技と渡辺裕之のワイルドさがはまり、本来のターゲットである主婦層だけでなく、中高生、OL、サラリーマンにまで視聴者を広げ、この時間にテレビを見ている人の半分近くは見ているという大ヒットになり、高木美保・渡辺裕之の顔合わせで『夏の嵐』まで作られました。
その後のシリーズ・ヒット作の多くに共通するキーワードは「令嬢」、それも「華族のご令嬢」がベスト。『真珠夫人』は見事にはまってます。
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それから脚本の中島丈博は『失楽園』など濃い作品が得意で、『風のロンド』『真夏の薔薇』『砂の城』と東海テレビドラマも三作経験済み。
三ヶ月65話の長丁場はまだ半ば、これからどうなるか?楽しみです。