スタッフロールを見ているとたまに「特別主演」とか「友情出演」とかついている出演者がいます。なにが「特別」で、また「友情」はホントにあるんでしょうか?
これは俳優の「格」というのが関係しています。俳優もキャリアを積んでいくと、出演するならそれなりの役が必要になってきます。主演でなくては、とか、助演でもそれなりの出番がないと、という風になってきます。
しかし制作側からすると用意できる役が必ずしも俳優側のニーズとマッチするわけではありません。チョイ役だけど重厚な俳優が必要な場合もあります。
そんなときに便利なのが特別出演。本来ならこんな端役はお願いできないんですけど「特別ですから」ということで口説き落とします。
また「格」に関連して、キャストロールの序列対策という場合があります。出演者の名前が出てくるキャストロール。一番最初にでてくるのは当然主演俳優ですが、次ぎに重要な俳優に割り当てられるのがキャストロールの最後。いわゆる「トメ」です。この位置を二人の俳優が争った場合、一方には「特別出演をつけますので」ということで納得してもらいます。
特別出演だと、ギャラも「特別」つまり高い場合が多いのですが、友情出演は逆にギャラが「友情」で相場より安いかノーギャラ。スタッフや主演がお友達に「ちょっと出てよ」と頼まれたという場合です。
映画ですが2月2日から公開している『オーシャンズ11』がいい例。主演のジョージ・クルーニーと『トラフィック』のソダーバーグ監督が立ち上げた会社の最初の作品で、クルーニーがソダーバーグが撮るから、ということでお願いしてまわり、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、アンディ・ガルシア、マット・デイモンと普通なら共演しない主演級がそろって、しかもギャラはかなりディスカウントされているそうです。