和食には3つの楽しみ方があります「花を愛でる」という習慣も情操教育に役立ちます。ぜひ、生活や食卓に花を取り入れてみてください(撮影:高賀元正)関東地方では早々、桜がほとんど散ってしまっていて、もう若葉が出てきています。こんなに早く散る桜、もうちょっと名残り惜しく楽しみたいものですね……。そこで今回は、あえて食卓で名残りを演出して、季節を楽しむための方法をご紹介していきます。和食には食材の楽しみ方が3つあります。「走り」「旬(しゅん)」「名残り」といって、「走り」は出始めの食材や初物をいただくという文化のこと。「旬」は今まさに美味しいとか、沢山取れるという時期のことを指し、お値段などもお手頃になっています。そして「名残り」。これはもう時期的に終わりのものを、最後にもう一度楽しんで来年の季節を待ちましょうという楽しみ方です。食卓に出す食材もこのように考えて組み合わせると、ちょっと優雅な気持ちになりませんか? お子さんに同じ食材でも今が走りなのか、旬なのかといった、どの時期にあたるのかということを教えてあげながら食卓を囲むと、季節感をつかむ学習にもなっていいですね。言葉やデコレーションで季節を作る今回は桜の花の「名残り」を楽しむのに桜鯛を使用。桜色に色づいた、その名も桜鯛を食卓に出すことで、みなさんの中にある桜の記憶が少しでも蘇ってくるかと思います。その記憶とともに桜鯛を食べる。そんな季節の作り方というのも、食事を楽しくするひと工夫になりますね。もちろん桜の形をした箸置きをセッティングしたり、桜の柄をつけてある器やお皿を用意するだけでも記憶に働きかけてくれます。日本語の中にはこのように、花や季節にちなんだ名前が付けられている食材が多くあります。お子さんと一緒にそれを調べたり、お料理に使って教えてあげることで文化も一緒に教える食育を施すことが可能ですので、ぜひ活用してみてください!>>次は本当に簡単!レンジで作れる「桜鯛のおこわ」の作り方>>12次のページへ