ギャングエイジの接し方に悩む親へ、「良い子ども」が良い訳では無い
ギャングエイジとは、小学校中学年(3,4年生)の頃に親や教師などに反抗したりし、そばにいる仲間などからの影響を強く受けながら行動する時期
ただ「ギャングエイジ」だけではありませんが、人の育ちにおいては、あるタイミングで問題に直面し、苦労しながら乗り越えていくことで獲得されていくものがあるとされています。「反抗期」なども同様です。「大人」と「子ども」の狭間で自立(個の確立)のために、もがいている姿が「ギャングエイジ」であり「反抗期」と言えるでしょう。
「良い子ども」の定義は色々とありますが、「ギャングエイジ」や「反抗期」のタイミングで、あまり周りの大人とトラブルを起こさないような子どもを単に「良い子ども」と言うことはできないでしょう。そのタイミングで獲得できなかったものがあることで、その後に大きなトラブルを引き起こしたりすることもあり得ます。幼少期、親に対し非常に従順だった子どもが、青年期に引きこもりになったり、親に対し暴力的になったりするのは、こういったパターンの1つである場合もあります。
ギャングエイジに想定されるトラブルとは?
ギャングエイジに想定されるトラブルは「家庭内のもの」と「家庭外のもの」に分けると把握がしやすいです。「家庭内のもの」とは、親の言うことを聞かなくなったり、行動が粗暴になったりということです。「ギャングエイジ」では、周りにいる大人(親や教師)よりもそばにいる仲間の考えを重視する傾向があります。そういったことにより、それまでは親の言うことを素直に聞いていた子どもが、少しずつ反発をすることなどが出てきます。
一方、「家庭外のもの」とは、学校や地域などで起こるトラブルです。 学校でのルールを守らないなどの行動を繰り返す問題があります。1人であればそれ程大きな問題にはならないのですが、ギャングエイジは数人で固まって行動を取るという特徴があります。その結果、いわゆる「学級崩壊」のような状況になってしまう場合もあります。
このような状況では、その子どもの問題だけでなく、学級全体の問題になります。学級の子ども達の学びの質が下がりますし、登校しぶりなどになる可能性も出てきます。
また、学校外の地域では、悪戯などが考えられます。一戸建ての家の玄関のベルを押してから逃げてしまう「ピンポンダッシュ」や看板などへの「いたずら書き」などです。
そういった悪ふざけをしてしまう可能性が最も高いのが「ギャングエイジ」の年代です。もう少し上の年代になると、こういった行動に対する問題点、例えば、選挙ポスターにいたずらをすると法律違反になるということを理解できるので、その手のトラブルはあまり多くありません。
ギャングエイジへの対応とは?
家庭における問題においては、親はあまり感情的にならない、ムキにならないということがポイントでしょう。相手は、まだ小学校の中学年の子どもなので、親として強く、厳しく対応することも可能です。しかし、そういった対応では、子どもにこちらの思いは伝わらないことが多いでしょう。あまりにひどい状況ならば別ですが、親が少しイライラする程度のことであれば、長い目で見ることも必要でしょう。最低限の必要なことを伝え、その後はその話題に触れることなく、切り替えていくような対応が良いでしょう。
親のそういった対応は、その後の「反抗期」に向けた準備期間でもあります。この時期に親として少し思い通りにならない子どもとの関わり方を学んでおくことは、その後に来る、家庭によっては嵐のような「反抗期」を上手に乗り切ることにつながるのではと思います。
学校における問題、例えば「学級崩壊」に近いような状態の場合、問題行動を起こす子どもやその親を批判するようなことをしていてもあまり解決にはつながっていきません。担任や学年主任、管理職などと相談をする場を作り、全体で前向きな話し合いをしていくことが望まれます。
地域における問題は、民生委員、自治会などの人たちと話をすることになります。問題の程度によっては、警察が関わってくるような事案があるかもしれません。
ギャングエイジは、子どもの成長過程で何度か訪れる「反抗期」同様、親としては少しイライラとしてしまうことが多い時期でもあります。ただ子どものとる行動には意味があり、そこで学びがあるのだということを親が理解しておくことで、関わり方が違ってくるでしょう。
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