米アレルギーの場合、イネ科の食品でも症状が出ることもあります。注目の「わらびもち粉」を利用して江戸のベストセラーの料理本からメニューをアレンジ!家族でうれしいお雑煮をご紹介します。
お正月にお雑煮を食べる理由
そもそも、なぜお正月には雑煮が出るのでしょうか? |
中の餅や具の種類もそれぞれです。関西地方では丸餅に白味噌仕立てが多く、江戸では角餅に鰹だし。江戸時代、江戸には人口が集中していました。そのため一つずつ手で丸める丸餅より、手っ取り早く数多く作れる角餅が使われたと考えられています。一方関西では、昔から「円満」の意味を持つ縁起ものの丸餅が使われていました。
餅は昔から日本人にとってお祝い事や特別の日に食べる「ハレ」の食べ物でした。新年を迎えるにあたり、餅をついて他の産物とともに歳神様にお供えをし、元日にそのお供えをお下がりとして頂くのが「お雑煮」です。お雑煮を食べる際には旧年の収穫や無事に感謝し、新年の豊作や家内安全を祈ります。
しかし、米アレルギーの場合はこの餅を利用することができません。そこで米アレルギーの子どものためのお餅メニューとして注目したのが、この「わらびもち粉」を利用した「合歓豆腐(ごうがんどうふ)」です。米のアレルギーの場合は、イネ科の食品でも症状が出ることもあるので、わらびもち粉を利用しました。
レシピは、江戸時代の天明年間(1781年~1789年)のベストセラーの料理本『豆腐百珍』という本の続編に載っていたものからアレンジしてみました。『豆腐百珍』は文字通り豆腐を使った料理を紹介する本なのですが、ここに登場するこの「合歓豆腐(ごうがんどうふ)」は、餅と豆腐を絶妙に組み合わせたお雑煮風の料理。アレルギっ子ならではの我が家風のお雑煮!家族や親戚みんなで、ちょっと変わったお雑煮を楽しんでください。
米アレルギーの場合、何を代替食品とする?
主として「炭水化物の補給の目的」があげられます。また米は、構造上吸収される形に分解するまでに時間がかかります。食べた後のおなかのなでの停滞時間が長いため、ゆっくりと吸収されエネルギーとなります。ごはんがすぐにおなかが減ってしまうパンや麺に比べると朝食に向いた一品と言われている理由はそこにあります。また日本人は、昔から食物繊維の多い米を主食とする習慣があるので、小麦を主食としている欧米人よりも「腸が長くできている」とも言われているのです。まさに日本人に最適な食材といってもいいでしょう。さて、では米アレルギーの場合、どのようなもので代替したら良いでしょうか?他の国の人々が主食としている食品から考えると多くは、麦やジャガイモ等で代替できます。そして、お正月に食べるおもちの代わりとして、粘りがありクセのない比較的近い性質である「わらびもち粉」を利用しました。わらびもち粉は、甘藷を水ですりつぶした後、水にさらし、脱水、乾燥したもの。一見片栗粉と変わらない「わらびもち粉」ですが、その原材料は、甘藷=サツマイモの根からとったでんぷんです。
わらびもち粉を利用するメリットは、
1、アレルゲンがたんぱく質にあるので、比較するとにたんぱく質成分が他のものより少ない(くず粉0.1g/100gに対してわらびもち粉は0.1g)
2、イネ科のものでないこと(イネ科の雑穀アワ・ヒエなどでも餅はできますが、アレルギー反応が出る場合を避けるため)
3、コーンスターチや片栗粉はくせがあり、もちとしては不向き
4、価格的に安価で使いやすいこと(手に入れば、本わらびの粉を利用しても良いのですが高価)
などがあげられます。
わらびもち粉は、「本わらび」「わらび粉」と違ってサツマイモを利用しています。またモチッとした食感を出すのに利用される、タピオカでんぷんを使った「タピオカスターチ」という商品もあります。場合によっては、わらびもち粉に他のでんぷん質となるもの(じゃがいもでんぷん)や、商品によっては添加物も入っていますので、購入する際は表示を見て買うようにしましょう。