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アレルギーを気にするママへ3つのポイント

授乳中の食生活で、必要となる「たんぱく質」「カルシウム」「ビタミンC」。その3つをアレルギーの気になるママは、どのようにとったらいいのでしょう? 疑問にお答えします。

執筆者:松下 和代


授乳中は、女性にとって一番たくさん食べる時期です。特に大切な「たんぱく質」「カルシウム」の栄養素は、アレルゲンとしても心配な食品が多いのが事実。今回はアレルギーを気にするママに、上手に食べるポイントをお伝えします。

ポイント1.たんぱく質

おにぎりの画像
間食は、ケーキよりおにぎりでとるとバランスが良くなります
ひとつめに注意して摂りたい栄養素がたんぱく質。授乳中は、普段に比べて多めに必要になってきます。たんぱく質は、人間の皮膚・筋肉・内臓・血液・毛髪・つめなどを形作り、いろいろな酵素や遺伝子、ホルモン、免疫、抗体などの生成にかかわっています。

多く含まれる食品として「卵・肉・大豆食品・魚」があげられますが、アレルゲンになりやすい食品が多いので注意が必要です。特に、家族で特定の食品で食物アレルギーになったことがある人がいる場合は、その食品を控えるようにしましょう。

たんぱく質はアミノ酸の集合体です。人間に必要なアミノ酸は、必須アミノ酸と呼ばれ、体内でつくることができません。最近よく耳にする「アミノ酸スコア」とは、このアミノ酸の栄養価を表すひとつの方法で、100に近いものほど良質のたんぱく質とされます。卵は、アミノ酸スコアの高い食品と言われていますが、アレルゲンとして第1位にもあげられる食品なので食べ続けないように注意が必要です。市販の加工食品(パン・ケーキ・練り物・ソーセージ・マヨネーズなど)にも卵は利用されています。市販の物を利用していると、知らず知らずのうちに卵をたくさん食べていることになります。できるだけ、手作りのもので食べ過ぎないように工夫をしましょう。同じようにイクラやタラコなどの魚卵も控えめに。

食事のおかずの決め手になるものたんぱく質。大切なのは、偏った食べ方をせず、いろいろな食品を利用することです。アミノ酸スコアをバランスよくするためにも、毎食違った食品を利用しましょう。

例えば、朝「アジ」なら、昼は「鶏肉」、夜は「豚肉」という形で。そして調理する時も、動物性たんぱく質は十分加熱してください。刺身や生卵はやめておきましょう。

ポイント2.カルシウム

カルシウムは赤ちゃんの骨の形成に大切な栄養素。赤ちゃんのカルシウムが足りないと、ママの骨を使って母乳になります。そのため、不足すると将来的にママの骨粗鬆症に……。カルシウムは、リンとのバランスが吸収の決め手になります。そのバランスがいいと言われている食品が、「牛乳」。しかし、牛乳もアレルゲンとして現在第2位の食品です。牛乳アレルギー症状が家族や自身にある場合は、乳製品以外の食品からカルシウムを補うようにしましょう。カルシウムは、小魚や海草や野菜にも多く含まれているのです。

例えば、植物のハーブ。あまり知られていませんが、カルシウムが豊富です。

・バジルの粉で、100g中2,800mg
・タイムの粉で、100g中1,700mg
・セージの粉で、100g中1,500mg

他にも、パセリ(1,300mg)やシナモン(1,200mg)にも意外に多くあります。

香りのいいハーブを料理に上手に取り入れれば、薄味でも美味しく感じたりとメリットが他にもあります。多めに使うのは難しいのですが、1回の食事に少し多めにふりかけると、大体0.5g程度。バジルだと14mg。魚やチキンにまぶして衣として使えば、もっと多く利用できます。料理のアクセントとしてハーブを使ってみてはいかがでしょうか?

ポイント3.ビタミンC

ビタミンCは、「手作りポテトチップスでアレルギー対策」の中でもご紹介したように、アレルギーに有効な栄養素の一つです。授乳期は、ビタミンCが普段よりも1日50mg多めに必要となってきます。ビタミンCは、体の1/3を占めるコラーゲンの生合成に大切な働きをしています。コラーゲン合成がうまくできないと毛細血管がもろくなり、骨の生成異常などの症状を起こします。また、ビタミンCは抗酸化性活性が高く、ストレス反応の防止にも有効です。

果物に多く含まれるビタミンCですが、一番多いのがアセロラ。100g中生で摂ると1,700mgとる事が出来ます。ビタミンCは熱に弱い性質があるので、生で食べるフルーツは理想的ですね。ジュースにする場合は、ジューサーなどで果汁だけでなく全部一緒に召し上がると食物繊維も補えます。

他にも、授乳期に特に多めに必要な栄養素、気をつけたい栄養素とありますが、アレルギーを気にする方のために3つに絞り込み記載しました。質問などありましたら、お気軽にメールをこちらまでお寄せください。



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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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