食事マナーが乱れる原因は食器選びにあった
「ファンファン 卓膳セット」一汁三菜を盛ってみる。やっぱり和食は基本 |
並んだおかずを見ながら丁寧に箸を口に運ぶ |
セットされた食卓に嬉しそうな息子。「いただきます!」。まず手を出したのは汁わん。ところがすぐ汁わんをひっくり返しました。なぜなら器を上からつまむクセがついていたからです。竹の食器は軽いため、上からつまむと簡単に傾いたよう。「食器は下から持つように」といくら言っても繰り返していましたが、汁わんをひっくり返してみて、食器を下から持つのはなぜなのかがようやくわかったようです。あらためて汁わんを手で包むようにそっと持ち上げます。器の扱い方の第一歩を身をもってひとつ覚えた息子。
次にご飯茶わんに手がのびます。汁わんで学習したようで手で包むように茶わんを持ち上げ、ご飯を口に運びます。うっかりするとテーブルに置いたままのご飯茶わんに口を近づけて犬食いしていたことがある息子。この点もこれまで何回も注意してきたこと。でも、ここでガイドはあることに気がつきます。息子の小さな手はまだ高台とふちに指をかけて茶わんを持つことができません。手のひらでべったりと茶わんを包むように持っています。これまで使っていた磁器のご飯茶わんでは手のひらが熱くて持てなかったため、犬食いになっていたのです。ところが、竹のご飯茶わんは手で包むように持っても熱くないのでしっかりと持っていられます。竹は数百本もの繊維に無数の溝が通った断熱材のような構造をしています。竹の天然の断熱効果を、小さな器であらためて実感。これなら小さな手でもしっかり持てます。
主菜・副菜のお皿に手をのばします。でもまだ遠いお皿へ箸先が充分届かず、お皿に乗った焼き魚の身をうまくほぐせないよう。こんな時、これまで自分の前にお皿を持ってきて食べていました。その結果、1皿ずつおかずを食べるようになった息子。主食とおかずを交互に食べるいわゆる「三角食べ」ができず「ばっかり食べ」になっていました。最後の皿になった時にはもうお腹いっぱいになってしまい、おかずが1皿手つかずのまま残ることもしばしば。この食べ方がガイドの悩みのタネです。さて器がプレートにセットされているため、いつものように1皿だけ自分の前に持ってくるわけにいかず、どうしたらいいのか迷う息子。しばらく考えた後、お皿を手に取り、魚の身を1口ぶんほぐし口に入れてから元の場所にお皿を戻しました。次はご飯に。どうしてもできなかった「三角食べ」を自然にしているじゃありませんか! 竹のお皿は軽いので、片手でラクに持てるのです。
ご飯とおかずを交互に食べながら、完食。最後に茶わんに残ったご飯を食べながら息子がふとつぶやきます。「このお茶わん、ご飯粒をすごく集めやすい」とニコニコ。これまで、食べ終わったご飯茶わんにはぽつぽつとご飯粒がこびりついていました。最後までキレイに食べない息子をあきらめていたガイド。ところが今、目の前には、ご飯粒が一粒も残っていないピカピカのご飯茶わんが……。竹はご飯を入れたり包んだりと日本古来から使われてきた素材ということはわかっていましたが、このご飯粒離れの良さにはあらためて目からウロコが落ちました。キレイに食べられないのは息子のせいではなかったのです。食器のせいだったのです。息子よ、ゴメン!
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