歯科治療の後に発作
Q:うちの子供が先日、虫歯の治療を受けました。一回目の治療後は何ともなかったのですが、二回目の治療をした翌日発作が起こり、治療を一時中断する事になりました。どうして虫歯の治療で発作が起こるのでしょうか?今後の治療は大丈夫なのでしょうか?教えてください。A:お答えします。歯科治療後に喘息発作が起こる原因として最もよく見られるのは、治療後に投与する消炎鎮痛剤(痛み止め)による発作です。これは以前の記事で詳しく述べている、アスピリン喘息と呼ばれる状態ですが、消炎鎮痛剤を内服した後、数分から数時間以内に強い発作が現れます。アスピリンに限らず多くの消炎鎮痛剤で起こりますので、過去にそういった出来事のある子供には、消炎鎮痛剤を使わないようにするのが原則です。
歯科治療のあとで起こる喘息。多くの要因は、薬の場合が多い |
その他注意すべき飲み合わせ
他に、飲み合わせとしてテオフィリン系のお薬(テオドール・テオロング・ユニフィル・ユニコン・スロービット)を内服されている場合、ある種の抗生物質や胃薬を一緒に内服してはいけません。 具体的にはマクロライドという系統と、ニューキノロンという系統の抗生物質、そしてタガメットという胃薬です。喘息発作が起こるわけではありませんが、テオフィリンの副作用である動悸や吐き気・嘔吐・興奮・頭痛などが起こりやすくなります。歯科材料による発作
歯科材料の中にも、喘息症状を引き起こすものがあるようです。例えば歯科用のレジンという合成樹脂の中に、喘息を引き起こす物質があります。「歯科治療を受けた後に発作が続く」というような場合ですと、歯科材料による発作の可能性も考えなくてはなりません。 ラバーダムという装置は、治療をする歯だけを露出させて、他の部分をゴムの膜で覆う装置です。これをしておけば治療で出た金属片や薬剤を飲み込むことが防止できます。これは削った歯科材料を誤って飲み込む事が防げますから、ある程度の効果がありそうです。 以上のようなことに気をつけて、安全に歯科治療を受けさせましょう。 *ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。<参考リンク先>
アスピリン喘息(記事)
歯の健康
喘息クイズ(ぜんそく大事点ブログ)
喘息の正しい治療法と薬の正しい知識(PDFレポート)