万が一、子どもののどに異物が詰まったら…
Q:うちの子はよく物を口に入れるので、のどに詰めないかといつも心配です。どうしたらいいのでしょうか…。A:お答えします。のどに異物を詰めないようにする防止策は、のどに詰めるような大きさのものを子どもに与えないことに尽きるのです。子どもは何でも口に入れるものである、と考えましょう。
口に入れたまま走ったり、笑ったり、泣いたり。ただなめているときには気をつけていてもちょっとしたことでのどに落ち込んで詰まってしまいます。
窒息の原因になるもの
それでは、どのようなものが窒息の原因になるのでしょうか?大きさ3cm以内のものは、口からのどに入り込む大きさです。その程度の大きさで、ある程度の硬さのあるものはすべて窒息の元です。子どもの窒息の原因として多いものは食べ物とおもちゃです。
食べ物の中で多いのは、ピーナッツ・アーモンドなどの乾燥した豆類です。そのままの大きさですと何かの拍子にのど・気管をふさいでしまい窒息することがあります。また、噛み砕いて小さくなったものであっても気管支に引っかかり、慢性の咳の原因になったりします。
他には数年前に問題になったこんにゃくゼリー。ちょうど口からのどに入り込む大きさで弾力があり、のどに引っかかるとつるつるして取れません。それでいてゼリーよりずっと硬く、噛んでもなかなか噛み切れないために、子どもが口に入れて窒息、ということが起こりました。
奥歯がきちんと生えそろってしっかりと物が噛み砕けるようになる5歳ごろまでは、噛んでも噛み切れないようなもの、ピーナッツや飴などの硬いものは与えないようにするほうが安全です。
おもちゃの場合、床の上にそのまま置いておくことはやめましょう。床から1m以上の高いところに置くことで飲み込んでしまう危険性が確実に減ります。3歳以下の子ども用のおもちゃには小さな部品は使われていませんが、大きい子用のおもちゃの部品には細かい部品があり、「こんなもので?」というものが窒息の原因になるのです。
のどに異物が詰まったときの対処法は?
背中を手の付け根あたりでたたきます |
呼吸をしていない場合には、大声で助けを呼び、119番通報。詰まったものを取り出し、心肺蘇生法を行います。乳幼児の場合、抱きかかえて頭を下げさせ、背中を叩きます。あまり強く叩きすぎないよう、力を加減して。1回では取れなくても何度かやっているうちに取れることがありますから、心肺蘇生法を行いながら、根気よく繰り返します。
*ネット上での診断・相談は、診察ができないことから行えません。この記事は診察室での実際の会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。
私が小さい頃、サザエさんの次回予告ではサザエさんがピーナッツを放り投げて口で受け、のどに詰まる様子が放送されていました。それを真似た子どもが本当に窒息したことから内容が変わり、じゃんけんになりました。子どもは何でも真似をしますから、大人が危険な行為を見せないようにすることも大切ですね。
<参考リンク先>
どう防ぐ子どもの事故・気管支異物(子どもの安全ネットワーク)
気道に異物がつまったら(家庭の救急法)
気管内異物の除去(日本赤十字社)
幼児の事故防止マニュアル(くらしの安全情報サイト)