子供の病気/その他の子供に多い病気

子供の下痢の原因、ロタウィルス感染症とは

冬になると、おなかをこわす子どもたちが増えてきます。「おなかが冷える」といった原因だけではなく、冬に増える原因が実はあるのです。そこで、今回は冬に増える下痢の原因と対策法をお伝えします。

執筆者:長尾 大志


おなかが冷えたから下痢になる?

Q:冬になっておなかが冷えたからか、子どもが下痢をしました。温めて様子を見ていたのですが、なかなか治らず、白っぽい便が毎日何回も出ます。食欲もないようです。どうすればいいのでしょうか…。

A:冬になると、腹痛、下痢になる子どもが増えてきます。夏の腹痛、下痢は食中毒の可能性があり注意をしていても、冬の下痢は「おなかが冷えたのかな…」で済ますことも多いのではないでしょうか?

ところが、冬の腹痛、下痢の原因にも「感染症」があるのです。

特に2歳以下の小さなお子さんによく起こる、「ロタウィルス感染症」は、下痢だけでなく嘔吐も起こります。症状は1週間以上も続くことがあり、要注意の感染症と言えるでしょう

「ロタウィルス感染症」の症状は?

冬の下痢を甘く見ると、あとで大変なことになります。
冬の下痢を甘く見ると、あとで大変なことになります。
主な症状は下痢と嘔吐です。
下痢便は白っぽく水のようで、1日数回以上、1週間程度続きます。嘔吐は全員に見られるわけではなく、下痢より早くおさまりますが、半分以上の子どもに起こります。また、しばしば発熱が見られますが、1、2日で改善します。

症状で問題になるのは脱水。下痢と嘔吐で水分が失われ、吐き気のためになかなか水分が摂れなくなります。脱水がひどい場合には点滴や入院が必要になるケースもあるので、注意しておきましょう。

治療方法は?

治療で一番大事なことは家庭での食事。吐き気が強いときに、無理に水を飲ませるのはかえって嘔吐の原因になりますから、吐き気が落ち着いてから少しずつ水分を摂らせましょう。脱水が心配だからといって、一度に水を飲ませるのも禁物。少しずつ回数を分けて、湯冷まし、麦茶、番茶や野菜スープを飲ませましょう。乳幼児用のイオン飲料でもかまいません。

吐き気のある間は、水分だけを補給していれば無理に食べさせる必要はありませんが、吐き気がなくなったら、薄めたミルク、おかゆなどの消化のいい食べ物を少しずつ与えるようにしましょう。食べ物は様子を見ながら、少しずつ増やしていってください。

症状が重くぐったりしたり、まったく水分が摂れない場合は、早急に医師の診療を受けてください。

おしりのケアも忘れずに

下痢便は消化酵素を含むアルカリ性なので、おしりが汚れたままだと、かぶれやすくなります。シャワーや洗面器にぬるめのお湯をためるなどして、排便のたびにおしりをよく洗いましょう。

>>次ページでガイドの実体験を紹介!>>
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