バリアフリーとユニバーサルデザイン
「バリアフリー」は、よく聞くと思いますが、「ユニバーサルデザイン」という言葉は、いかがですか?ここ数年で、ずいぶんと聞かれるようになってきたと思います。この2つの違いは、何でしょうか?
バリアフリーとは?
『障害を持つ人や高齢な方など社会生活弱者といわれる人たちが、社会生活を送る上で、生活の支障となる「物理的な障害・精神的な障壁」を取り除くためのもの。そして、障害・障壁を取り除いた状態』のことです。
普段、私たちが、バリアフリーと言うときには、社会的弱者の方が利用する上で、障害・障壁を取り除いた状態のことを指して使う場合が多いでしょう。例えば、階段しかない駅にエレベーターをつける。段差のあるお店の入り口に、スロープを設置するなどです。
ユニバーサルデザインとは?
これらは、ユニバーサルデザイングッズのひとつです |
『文化の違い・言語の違い、老若男女という違い、障害・能力を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計』のことです。
ユニバーサルデザインは「UD」と略して言うこともあります。バリアのない世界を作ること!ということが目標です。例えば、最初から誰もが使いやすい状態でつくられたノンステップバスやノンステップ電車、広いトイレ、最近では文房具などもあります。さらに、おもちゃにもあるんですよ!
障害は環境が作る
将来的には、ユニバーサルデザインで作られた世の中になり、バリアフリーという言葉がなくなるのかもしれませんね。そうです。環境が「障害」や「弱者」を作っているということなのです。
車椅子でも、お出かけしやすい街であったり、パニックを起こしている人がいても、対応の仕方を誰もが知っていたり・・・そうなれば、障害は障害ではなくなるのです。
子育てとバリアフリー・ユニバーサルデザイン
子育てをはじめて、ベビーカーや抱っこ紐などでお出かけするようになり、身軽だった頃と、動き方に変化がおきませんでしたか?ベビーカーを使うため、エレベーターを探す。トイレでベッドがあるところを探す。階段を利用するのは、抱っこだと怖いからエスカレーターを探すなどなど。
私の子どもが、まだベビーだったころ・・・今のような世の中ではありませんでした。たった10年弱以前の話です。エレベーターのある駅は、ほとんどなく、ベビーカーを抱えて、子どもを抱っこ・おんぶしての移動でした。トイレも狭く、なかなかベビーベッドのある場所がなくて、仕方なく、ベビーカーの上でオムツ交換をしていました。
子育て母にも嬉しいもの
階段のほかに選択肢があることは、子育て中にはとても嬉しいですよね |
本来、バリアフリー、ユニバーサルデザインは、障害者や高齢者のために考えられたものですが、実は子育てをしている私たちにとっても、大切なもの、そして嬉しいものなのです。
歩道が狭く、斜めになっているところでは、ベビーカーを道にとられてしまい、怖い思いをしながら通っていました。ベビーカーの車輪が道にとられて・・・ということは、車椅子でも同じ。そこが、バリアフリー化され、平坦な歩道で、広くなれば?ベビーカーも車椅子も、快適な道になります。
駅に、エレベーターが設置されれば、ベビーカーでも車椅子でも、お出かけがラクになるわけです。入り口が、手動ドアか自動ドアか?であれば、もちろん自動ドアのほうが、出入りがスムーズになりますよね。これは、車椅子やベビーカーだけではなく、怪我をして松葉杖をついているときだって、荷物をいっぱい持っていて、両手をふさがれているときだって、同じになるわけです。
このように、バリアフリーやユニバーサルデザインは、障害者や高齢者だけではなく、子育てをしている私たちにとっても、優しいものなのです。子育てを始めてからの、新たな気付きを大切にして、誰にでも優しい世の中になるよう、考えていきましょう。
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