子育て

小学生の子ども間で、友達から物をもらう・あげるトラブル

小学生の子どもは悪気なく、友達から物をもらうことやあげることをしてしまいます。ゲームの世界の物のやり取りはさらに複雑です。そんなトラブルに親はどうしたら良いのでしょうか。物のやり取りについて家庭でしっかり話し合っておくことが大切です。

鈴木 邦明

執筆者:鈴木 邦明

子育て・教育ガイド

小学生の子ども、友達から物をもらう・あげるトラブル…親は?

小学生の子ども間で、友達から物をもらう・あげるトラブル

友達におもちゃをあげる・もらう、という子ども間のやり取りは人間関係トラブルにつながりやすい

子どもは悪気なく、友達に物をあげたり、もらったりということをしてしまいます。インターネットで友達と繋がる現代のゲームの世界ではさらに複雑です。金銭感覚がしっかりと育っていないことや、人間関係をこじれさせやすいことを考えると、物のやり取りについて家庭でしっかり話し合っておくことが大切です。
 

物をあげる・もらうやり取りは、子どもの人間関係をこじれさせやすい

どの年齢の子どもでも、「物をあげる・もらう」ことに関するトラブルは起こりやすいものです。子どもはあまり物の価値(値段)を意識しません。また、物のやりとりによって人間関係に歪みが生じやすいことなどを知りません。

例えば、子どもは「自分の仲間を増やしたい」という思いで、周りの友達に物を配るということがあります。小学校の低学年では、鉛筆や消しゴムなどあまり高価ではないものが多いですが、徐々に値段が高いものになっていくこともあります。

また「あげた人」「もらった人」で子ども同士の間に上下関係のようなものができるなど、クラス内の勢力争いに巻き込まれることもあります。

いじめに近い感じで「物を取り上げられる」ということも見られます。取り上げた子どもは自主的にもらったという形にして、問題に教師や親が介入してきた場合、「断ったけれども、プレゼントすると言ったから」という逃げの言葉を使います。

どのケースも「物のやり取り」によって、人間関係のトラブルにつながっています。もしこういった出来事を見つけたら、家庭でゆっくりと物の価値ややり取りのルールについて話をするチャンスです。基本的には「親が知らない形で物のやり取りはしない」というルールを作ることが良いでしょう。

親とのルールは、子どもにとって抑止力として働くことがあります。「親にダメだと言われているから」という家庭での約束は、友達に強制された際などの切り札にもなるでしょう。
 

ゲームの世界の物のやり取りはさらに複雑

子どもの物々交換

子どもの物々交換はゲームの世界でも行われている

あまりゲームをしない親には分かりにくいかもしれませんが、現代のゲームの世界にも、物を「あげる」「もらう」「売る」「買う」というトラブルがあります。今は多くのゲームがインターネットで繋がることで対戦ができたり、協力して取り組む中でアイテムやゲーム内の通貨を獲得できます。同じゲームをやっている友達同士の間でゲームアイテムがやり取りされることもあります。

ゲームの世界のこういったやり取りは、物自体が親に見えないため気付きにくいものです。もし友達からもらったものが鉛筆であれば、親は筆箱の中を見ることで気付くことができますが、ゲームのアイテムではそういった確認がほとんどできません。

こういったトラブルは初めてゲーム機を買う際、事前に話をしておくことが最も有効です。トラブルが発生する前の段階でこういった内容について、子どもと一緒に考え話し合いましょう。

例えば、「ゲームの中のアイテムやコインは形は無いけれども、そこには価値がある。リアルの世界での鉛筆や消しゴム同様に、あげたり、もらったりはしないこと」「ゲーム機はインターネットに繋がっており、個人情報の流出には注意すること」「ネットの世界における様々なやり取りは見えにくいこと」「ネット(SNSなど)ではリアルの世界よりも悪口、いじめなどが起こりやすいので注意すること」「ネットで買い物なども出来るが、落とし穴もあるので慎重になること」「ネットの世界にも悪い人、ずるい人がいること」など……ゲームのみならず、スマートフォンやインターネットを使う際のマナー全般をその年齢に合った形で話をすると良いでしょう。
 

物のやり取りでも、「小さなプレゼント」は例外

子どもの物々交換

子どもの物々交換の良い面もある

学校では転校をしてしまう子どもがクラスのみんなに対して、お礼の気持ちで鉛筆などを配るとことがあります。また、親しい友達の誕生日に手紙や小さなプレゼントを贈ることもあります。

子ども同士の物のやり取りは一切ダメというわけではなく、特別な機会に贈るプレゼントは例外でしょう。適切なタイミングで適切なものをプレゼントするということは、大人になってからもできた方が良いことです。

ただ金銭感覚がしっかりと育っていないことや、物のやり取りが様々なトラブルになりやすいことを考えると、親が把握している場合以外の子ども同士の物のやり取りはない方が良いでしょう。


子どもは悪気なく、友達に物をあげたり、もらったりということをしてしまいます。大人になってからは、ちょっとしたプレゼントなどをあげることができる人は、他の人から好かれもします。ただ、子ども時代は、様々なトラブルのきっかけとなり兼ねません。トラブルが起こる前に親が様々な話をしておくことはとても有効です。 また、一度すれば良い訳ではなく、例えば、学校や世の中のニュースでネット関連のトラブルがあったなど、何か話すきっかけのある時に繰り返し話題にすることが良いでしょう。

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