子供にファーストスマホを渡す前にしておきたい心がけ

親は子供にふりかかるSNS上での悪口が心配……。未然に避ける策はあるのか?

親は子供にふりかかるSNS上での悪口が心配……。未然に避ける策はあるのか?

悪口、陰口はいつの時代も問題ですが、SNSが活発な現代は、さらにそれが加速しがちです。中でもグループトークなどにおける子供同士の悪口や仲間外れは、常に親の気がかりです。まだ他者の立場に立って物事を見ることが得意ではない時期に、便利で手軽なツールを手に入れることでのリスクはやはりあり、自分は絶対に大丈夫と言い切ることは難しい状況です。

そんなもしものときに備え、はじめてのスマートフォンを渡す前にあらためて考えたいこと、日々心がけていきたいことをまとめてみました。
 

スマートフォンを子供にはじめて渡すときの親の気がかり

令和元年に内閣府が発表した青少年のインターネット利用環境実態調査によると、小学生で自分専用のスマートフォンを持つ子の割合は40.1%。自分専用ではなくてもスマートフォンでインターネットを使用する割合は、49.8%となっています。わずか5年前の平成26年度の調査では、スマホでネットを使用する割合は12.5%でしたから、ここ数年でスマホが小学生の生活の中に大きく入りこんできたことが分かります。
 
今、この記事を読んでくださっている方の中には、これからファーストスマホを渡そうかどうか考え中という親御さんもいるでしょう。スマホの便利さ以上に、渡した後に生じうる悪影響やリスクについて気になっているかもしれません。とくにSNS上でのトラブルは子供の人間関係にも発展する問題なので不安はつきません。「いじめられたらどうしよう」「陰口を言われていたらどうしよう」と心配になります。
 
では、子供がSNS上での仲間外れや悪口・陰口などに遭わないためにできることはあるのでしょうか。
 

悪口で仲間意識を高める子供の心理

悪口、いじめ、仲間外れなどのトラブルは、その子の所属する学級集団の状態を強く反映していることが多く、分かりやすく言えば、その子のクラスの状態が悪いと悪口も多く、状態がよいと関係に透明性があり調和がとられやすい傾向があります。
 
クラスの中にルールが確立されていて、かつ、円滑な感情交流がある状態が望ましいとされていて、どちらか一方が欠落していても、悪口の温床ができやすくなります。たとえばルールに従うばかりで互いの関わりがおろそかにされていたり、逆に、先生が子供たちとフレンドリーになりすぎて、ルールや規律がルーズになっていたり。このようなアンバランスな状態は、先生の統率の元でクラス全体がまとまるという機会に欠け、クラス内に小グループをがいくつもできて、そのグループ同士が対立したり、秩序が乱れたりしがちです。
 
子供が置かれた環境が大きく左右する分、たとえその子自身は非の打ち所がないような子であっても、悪口のまとになってしまうことはあり、模範生だから叩かれないというわけではないというのが、悪口、陰口の怖さとも言えます。悪口はその小グループ内での結束を高める力があるため、グループメンバーの自己防衛としても利用されやすいのです。
 
そういう点を踏まえると、自分の子が絶対に悪口にさらされないで済むと言い切るのは難しいように思います。今の時代は、それがスマホ上で展開しやすいため、悪口のリスクが学校にいる間だけでなく、帰宅後まで広がっていると言っても過言ではありません。非常に残念なことですが、さらされる可能性はゼロではないことを理解し、そこから何ができるかを考えるのが現実的とも言えるのです。
 

子供は親に心配をかけていい

自分の子には、悪口を言うような子になってほしくないのはもちろんのこと、言われる側になってほしくないというのは親の切なる願いです。ただ、自分ではコントロールの効かない部分で、悪口の対象になってしまうリスクはだれでも持っていると言えるので、「もしも」のときを考えて、普段からどのような心がけが大事かを考えておくことが大切です。
 
子供が何らかの形で、自分が悪く言われていると気づいたとき、それをそのままぶつけてきてくれたら、親も早い段階で気づけるのですが、子供たちも自分自身を愛する気持ちがあります。だから、悪口を言われている自分のことを親に話したくない、自分だってその事実を受け入れたくない、そんな思いがあります。
 
特にいつも「いい子」を求められている子は、余計にそれを受け入れ難くなります。その子が、「パパとママはいい子の私が好きなんだ」と思っていれば、悪口を言われている自分なんて受け入れてもらえないと思うでしょう。また、「親に心配をかけたくないから」と自分の中だけで処理しようとする子もいます。
 
さらには、子供が実は小さなサインを送っているのに、親が気づけていないこともあります。たとえば、「学校、イヤだな(心の声=だって悪口を言われているから)」と弱音を言ったときに、「そんなこと言わないでがんばりなさい」「社会に出れば辛いことなんてたくさんあるんだから」と言ってしまうと、空振りの励ましになり、「言ってもわかってもらえない」と感じ、もっと言わなくなってしまいます。
普段から子供のいい部分だけしか認めていないと、「友達から悪口を言われている」ということを親に言えなくなってしまう。「いいとこ、悪いとこ、全部好き」という姿勢が大切。

普段から子供のいい部分だけしか認めていないと、「友達から悪口を言われている」ということを親に言えなくなってしまう

「親に心配をかけたくない」

そんな風に子供が思ってくれていても、実際には親の私たちは、ずっと子供の心配をしているものです。まさに、「親は心配するのが仕事」というところ、ありますよね。したくなくても心配してしまうのが親心、だから、子供たちに「親には心配をかけていいんだよ」ということを分かってもらうのは、今回のテーマにおいても大事なことだと思います。
 
そのためには、子供のいい部分だけでなく、短所や弱い部分、苦手なところも全部ひっくるめて、受け入れることがとても大事です。もちろん、短所よりも長所の方が、親は嬉しいですし、受け入れやすい、それは事実です。でもできないこと、苦手なことに対し、「そんな子知らないよ」と切り捨てたり、「もう最低」と最悪視してしまうと、その子は、いい子の自分だけしか認めてもらえないと思い、「悪口を言われている」だなんて、とても言えなくなってしまいます。「いいとこ、悪いとこ、全部好き」という姿勢が大事なのです。

「ママはあなたの心配をするのが仕事なんだよ」ということを分かってもらえると、子供も気持ちが吐露しやすくなります。
 

悪口・陰口に負けないレジリエンスを

もし悪口を言われても、何とか乗り越えられる強さを身につけておくことも非常に大事です。このような力を「レジリエンス」と言います。ストレス下や逆境に置かれたときに、それを跳ね返す精神的な力のことで、この強さが立ち直りの早さに直結します(詳しくは「子どものレジリエンスを鍛える10のコツ!逆境を跳ね返す力とは」の記事をご覧ください)。
 
子供のレジリエンスを高める方法はたくさんありますが、その中でも今回の「もしも悪口を言われてしまったら」という重いテーマに対応できる策は、「ポジティブな見方を教える」が一番でしょう。
 
ポジティブな見方ができる人というのは、困難な状況に陥ったときに、それを自分で大きくしないという特徴があります。具体的に言うなら、

「今回は運が悪かった」
「こんなにひどいことはそう長くは続かない」
「たまにはこういうこともある」

このように「一時的な限定的な突発事故」として捉える傾向があります。
困難な状況に陥ったとき、嫌な気持ちを自分で大きくしないポジティブな思考を

困難な状況に陥ったとき、嫌な気持ちを自分で大きくしないポジティブな思考を

こういう考え方は、私たちの発言に大きく影響しています。心の中で思っていることが、口から言葉となって出ることが多いので、親自ら、普段の生活でポジティブ発言を心掛けることは非常に大事です。とくに小学校低学年くらいまでは、親の発想力の影響は大きいからです。
 
人間誰でも、嫌なことに対して心でそれを長引かせてしまうことで、気持ちが滅入って結果的に長引いてしまうことはよくあるものです。もし親が、「最悪、もう元には戻れない」とか、「どうしてこう悪いことばかり続くんだか……」のようなことを普段から口ぐせのようにブツブツ言ってしまうと、子供もそういう考え方がしみついてしまい、かりに「悪口を言われているかもしれない」という状況になったとき、「もう抜けられない道」のように思ってしまいがちです。
 

ネットでの誹謗中傷が問題になっていますが、たとえ正しいふるまいをしていたとしても、悪く言われないとは限らないものです。これは大人の世界だけでなく、子供にも当てはまり、スマホ時代の今はそのリスクはさらに上がっていると言わざるをえません。避けられるものなら避けたいもの、ただ100%回避可能とは言えない状況なので、子供とのコミュニケーションで壁を作らない努力やポジティブ発想の伝授はファーストスマホの前に意識しておきましょう。

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。