保護ケースとしての革ケースの必要性
Simplism「Flip Leather Case for iPad」5,980円(税込) カラーバリエーションは、写真のチョコレートブラックの他、ディープレッド、キャメル、スノーホワイトがある。 |
iPad用の革ケースの一つの解答とも言えるSimplismの「Shoulder Leather Case for iPad」に対して、ユーザーの要望としての革ケースを形にしたのが、同じくSimplismの「Flip Leather Case for iPad」だと言えるでしょう。このブック型というか、iPadを本のようなスタイルで持ち歩くケースは、この「Flip Leather Case for iPad」以外にも、他メーカーからも発売されていますし、今後も多く発売されるであろう、言わば、iPadケースの一つのスタンダードとも言えるもので す。
牛革100%の表面は質感も中々のもの。ステッチも丁寧で、大人が仕事で使えるレベルを実現。 |
この手の横開きの革ケースは、しっかりとiPadを保護してくれて、しかもケースに入れたまま全ての操作が可能。さらに、机の上だけでなく、膝の上などでもiPadが安定するので、操作する場所を選ばないというメリットがあります。「Flip Leather Case for iPad」では、牛革を表面全てに使って、高い質感を出していますし、実売価格5980は、モノから考えると相当リーズナブルです。書類などを入れておけるポケットも付いて、これだけ抱えて会議に行くといった使い方も考えられます。この汎用性の高さからも、同工のケースが多数発売される事は容易に想像が付きます。
中は、iPadの収納部分の他、フラップの裏側は書類や名刺を入れられるポケット付き。A4二つ折りの用紙が収納可能。 |
さらに、この「Flip Leather Case for iPad」の 場合、フラップ部分を背面に折り返して、片手でホールドすることも可能など、使い勝手を考えた設計。これが、ノートパソコンであれば、片手で操作する可能性などは考えなくても良いのですが、iPadの場合、片手でのホールドは考えなければならないポイントになります。個人的には、右利きの場合、左手でホールドして右手で操作することになるため、フラップが右開きになっている方が持ちやすいと思うのですが、このケースも、Appleのケースも左開きになっています。横書きの書籍の場合が左開きなので、それに合わせているのだと思うのですが、実際のところ、どうなのでしょうか。
フラップを背面に回せば、そのままiPadが使える。しっかりした作りなので、カフェなどでも安心して利用出来る。 |
このブックスタイルの革ケースのもう一つの欠点は、どうしても厚くなってしまうこと。ただ、その欠点は保護機能と裏表なので、一概に欠点とは言えません。実際に、カフェなどにiPadを持っていって仕事をする場合、この「Flip Leather Case for iPad」に入れて作業をする安定感と安心感は格別でした。単独で見れば十分スリムなシルエットです。ただ、このケースに入れた状態でカバンに入れると、カバンの中では随分大きく見えます。普通のノートパソコン程度の大きさに思えてしまうのです。iPadがiPadとしての魅力を発揮するには、この厚さは問題だと思うのです。その一方で、機能的にはこの程度の機能と保護能力は欲しいと感じてしまうのもまた確かな事。iPadのケースを考える際に一番難しいのが、この保護能力と厚さの問題だと思います。
シリコンケースはiPadに似合うのか?
Simplism「Silicone Case Set for iPad」2,980円(税込) カラーバリエーションは写真のピンクの他、ブルー、ブラック、ホワイト、ブラウンがある。 |
iPhoneでは、革のケースより何より、シリコンケースというか、シリコンやプラスチックによる、背面のカバーがケースの主流になっています。 ただ、iPadでは、それほどまでにはカバーの天下にはならないと思われます。多分、Simplismでも、それが分かっているからこそ、「Silicone Case Set for iPad」では、単にカバーするだけでなく、背面に凸部分を設けているのでしょう。この凸部を足代わりにして、机などに置いた時に使いやすい傾斜が生まれるように設計されているのです。
サイズもピッタリ。ケースに入れた状態で充電や同期など全ての操作が行える。発色の鮮やかさも魅力の一つ。 |
実際、iPadの大きさは、シリコンケースにも大き過ぎるようで、装着した感じも、iPhoneのようなしっくりしません。それは、ノートパソコン用のシリコンケースが一般的にならなかったのと同じ理由なのでしょう。iPadは、iPhoneやiPodのような、手のひらの上で使うツールではないということです。だからこそ、Simplismでは足を付けているのですし、iPhoneでは、そこそこ保護機能もあるシリコンカバーですが、iPadでは保護というより、埃除け傷除けの機能に留まります。
背面には足が用意されていて、机に置くと、安定して使えるようになっている。また、滑りにくい素材なので手に持って使う時の滑り止めにもなる。 |
ルックス的には、写真を見ても分かるように、iPadに額縁のようにカラフルなラインが入るのは悪くないですし、Simplismのシリコンカバーがビビッドな色のものを用意しているのも、その効果を狙っての事でしょう。むしろ、iPadの場合、透明なカバーなどの方がカバーとしては魅力がないのではと考えます。また、技術的な問題としても、あまり固くすると、iPadの大きさでは割れてしまうし、かといって柔らか過ぎても使いにくいといった事情もあり、完成度の高いカバーを作るのは中々難しいようです。
シリコンケースの他、保護フィルム、フィルムを貼り付ける際に使うクロスと気泡抜き用の板も付属する。 |
ただ、このシリコンカバーについて考えると、iPadとiPhoneが別物である事が実感出来るので、それを理解するためにも、両方でシリコンカバーを装着して使ってみるのは面白いはずです。ガイド納富は、iPhoneにおけるカバーに保護機能と持ちやすさ、そして装飾的な意味を求めていて、iPadの場合は、何よりまず滑り止めとして、そして装飾的なものとして、さらに机に直で置く時の傷や汚れ防止と安定性を求めている事に気がつきました。その意味でも、Simplismの「Silicone Case Set for iPad」は良く出来ています。例えば、意外と滑りやすいiPadの本体にとって、滑り止めは重要。だから、iPadのカバーならば、プラスチックよりも、シリコンのような滑らない素材が向いているのですが、Silicone Case Set for iPad」は、見事に滑らない手触りだったりするのです。