紙袋のような大きなトートバッグは使いやすい
SIWA「SIWA トートバック」 |
紙の原料であるパルプと、不織布などの原料であるポリオレフィン繊維を混ぜて、和紙の製法で漉いた、言わば紙のような布というか、布素材の紙というか、紙の見た目と布の強度が同居する新素材「ナオロン」。SIWAは、そのナオロンを素材に使った様々な製品を発表しているブランドです。このガイド記事でも何度か取り上げていますし、アシストオンやスタイルストアでも購入出来るので、SIWA製品をご存知の方は多いと思います。
下まで回る把手と、外ポケットがトートらしいデザイン |
そんなSIWAの新作は、H320×W430×D170mmと、かなり大振りのトートバッグ(商品名は「SIWA トートバッグ(M)」)と、そのトートと組み合わせて使うことも出来る、ファスナー式のクッションケースです。このトートバッグを使っていると、紙袋という、古くからあるけれどカバンとして扱われることのないツールの完成度の高さと、その使い勝手をきちんと継承して、さらにパワーアップしたSIWAのトートの、今までありそうで無かったが故の使い勝手の良さに感心してしまいました。
紙袋の持つ、何でも放り込める気軽さや、軽さ、内部の見通しの良さ、大きさ、使わない時は畳める携帯性、といったメリットを、きちんと継承しているカバンと言うのは、あまり見当たらないのです。それこそ、エコバッグが近いのですが、柔らかいエコバッグでは、見通しが意外に悪く、自立しないなどの欠点があります。というか、従来、紙袋的なものを布で作る場合、紙のシャッキリした質感を再現出来なかったのです。それこそ中に芯として紙を入れるくらいしか、実現方法は無かったのです。
そんな意味でも、紙のようにシャッキリして、濡れても破れないどころか、濡れた方が強くなるというナオロン製のカバンなら、紙袋の上位版として、十分使えることは分かっていたのですが、それが肩から掛けられて、ポケットが一つ付いていて、リバーシブルで使えるというだけで、こんなに便利になるとは、実際使ってみないと分からないものです。さらに仕切り代わりにもなるクッションケースもあるのですから、用途によっては、ちゃんとした革鞄よりも役に立ったりします。
何でも放り込める快感と機能性
とにかく大容量。耐荷重も10Kgだから安心して使える |
ガイド納富が使っていて便利だったのは、大量の資料が必要な仕事の打ち合せ時。このトートに資料関係は全部突っ込んで、ポケットに筆記用具と手帳を差込んで、他の荷物は小型のショルダーバッグ(この時は、ガイド記事でも紹介したLEXONのショルダー)に入れて出かけました。口が大きく開く(というか閉まっていない)ため、中の見通しが本当に良くて、必要な資料を探して出して、また片づけてという作業がとてもスムーズでした。ファイルフォルダがいくつも入って、しかも、見た目が悪くないというカバンは、意外に無いものです。
バンドの練習に行く際に、カバンには入れにくい(というか入れると、中で広がってカバンが型くずれしやすい)ケーブル類や、エフェクターなどを、そのまま放り込んで肩に掛けて持っていけるのも便利でした。マチが大きく、多少の型くずれは、素材の柔らかさと、紙袋的なデザインが吸収してくれるため、大きな荷物の収納が楽で、しかも沢山入れられるのです。水筒に弁当とかも楽勝です。外出先で増えた荷物も、そのまま放り込むことが出来ます。
クッションケースと組み合わせて機能性をアップ
SIWA「SIWA クッションケース LARGE」3,990円(税込) 色は写真のダークブラウンの他にレッド、ブラックがあります |
同じSIWAの新製品に、クッションが入ったケースがあります。大きさが幾つかあるのですが、今回、ガイド納富が買ったのは、SIWA トートバッグ(M)に合う、「SIWA クッションケース LARGE」です。このケースをSIWA トートバッグ(M)に入れると、横幅が丁度良いので、まるでトートの中仕切りのように使う事が出来ます。クッションケースはファスナーで開閉するようになっているので、フルオープンのトートの中のファスナーポケットとして使える訳で、かなり機能がアップするのです。
こんな風に中仕切りのように使えるクッションケース |
中仕切りを間にして、片方を仕事用の書類関係、片方は水筒や折畳み傘などの、ちょっと嵩張る荷物、肩から小型のショルダーバッグという組合せは、カバンそのものが軽いため、持ち歩きがとても楽で、荷物の出し入れや、荷物の整理もスムーズ。大事なものはクッションケースの中に入れておけば、上部がフルオープンのトートでも、荷物の紛失や、盗難、うっかり落とすなどのトラブルをある程度防ぐことが出来ます。
把手の持ちやすさとリバーシブルの楽しみ
把手部分がひねりを加えた形状で持ちやすくなった |
さらに、今回のトートは、前のSIWAのバッグよりも把手の部分が持ちやすくなっていて、些細なことなのですが、こういう進歩は製品をきちんと作っている証拠のように思えるのです。素材の魅力やデザイン性に驕っていないという感じがするのです。改良点といえば、他にカバンの底にもクッションが入りました。この改良も小さなことですが、使い勝手はとても向上しています。
リバーシブル仕様で、裏返すとシンプルなバッグになる |
また、リバーシブル仕様になっていて、トートらしい把手がカバンの底まで続くデザインと表のポケットが、裏返すと、内側のポケット付きのシンプルなカバンに変身します。色が変わるわけではないので、それほど見た目が変化したようには見えませんが、ポケットが内側に来るのは、使い勝手に大きな変化をもたらします。
リバースの状態だとポケットが内側になる |
例えば、iPodなどを通常、服のポケットに入れて使っていて、人と会った後はカバンに入れる、というような場合、iPodのような電化製品は外ポケットには入れにくいものです。そんな場合は、内ポケットなら、入れやすいし、他の荷物と混ざらないので、後で取り出す時もスムーズです。逆に、文庫本などは外ポケットに入れた方が、何かと便利です。外ポケットにするか内ポケットにするかを考えながら使うのも、このバッグを使う楽しみの一つみたいです。
ガイド納富の「こだわりチェック」
ポケット類が沢山欲しい、カバンの中を整理したい派は、「カバンの中身ドットコム」の製品を併用すると、いきなり機能豊富なトートに変身 |
カバンのデザインや機能に幅ができたのは、多分、カバンに使える素材が増えたからだと思うのです。カバンと言えば革だったものが、帆布が出てきたり、合皮やナイロンが現れたり、さらにバリスティックナイロンとか、SIWAのナオロンとか、素材によって、新しいカバンが生まれて、新しい便利が発見されます。多分、「紙」も、カバンの素材として、とても向いていたはずなのだけど、やはり水に弱く、破れやすいというのは大きなネックだったのでしょう。
ナオロンの登場は、紙袋を越えたバッグを作ることに成功したと同時に、紙袋って結構スゲエ、と見直す機会も与えてくれたように思います。SIWAのトートを使っていて感じるのは、紙の質感が身近に感じられることの嬉しさだったり、紙の皴の美しさだったり、紙の軽さだったり、紙ならではのマットな質感だったり。それが「紙の袋でもある」という嬉しさなのです。それでいて、上で書いたように、機能性やら使い勝手やらもあるのですから、それは、使って嬉しいカバンなのは当たり前なんですね。
<関連リンク>
・SIWA「SIWA トートバッグ」はアシストオンの先行販売です
・SIWA「SIWA クッションケース Large」はアシストオンの先行販売です
・小振りな「SIWA クッションケース Pouch」もあります
・SIWAのバッグや小物を紹介したガイド記事はこちら
・SIWA製品はスタイルストアでも扱っています