3/3 自分の道具は自分で作る紙工作の愉しみ [男のこだわりグッズ] All About

ペットボトルをオブジェのような花瓶にしてしまう紙筒

かみの工作所「紙の壷」1,050円（3色セット・税込）

製品としては、単に縦に切れ目が入っただけの紙です。白、茶、ピンクの三枚の紙が入っています。名前が「紙の壷」。でも、別に紙で作る壷という訳ではありません。言わば、ペットボトルを花瓶として使えるようにするための、壷形のカバーといった感じの商品です。

紙を筒状に巻いて、ペットボトルのキャップに付属の段ボールをセット

工作自体もとても簡単。縦にスリットが入った紙を丸めて円筒を作り、ペットボトルのフタ部分に、付属の円形のボール紙をセットします。準備はこれだけ。後は、円筒を立てて、上からペットボトルを差込めば、元がペットボトルと紙とは思えない、ちょっとしたオブジェ的な花瓶が出来上がります。この変形の瞬間は、分かっていても、ちょっと感動的なので、是非実物を使って体験して欲しいと思います。

紙筒にペットボトルを挿し込めば、このような壷形になる

イカソーメンからヒントを得たという、そのスリットが入った紙を使った3Dオブジェは、確かに壷のようで、ペットボトルに直接花を生ける寂しさがかなりなくなります。また、紙製なので、好きな絵を描いたり色を塗ったりして、オリジナルの壷を作る事も出来ます。ペットボトルの高さの違いで、形が微妙に変わるのも面白く、飾り気のない形状は、男性の部屋に置く花瓶として良い感じです。

簡単な切り込みが箒に早変わりする不思議

かみの工作所「紙箒・紙塵取」1,050円（税込）

「紙の壷」同様、ちょっとした紙への加工で劇的な形の変化を実現したのが「紙箒・紙塵取」。B5サイズの紙に折り目が入った紙と、切り込みが入った紙が用意されているだけの、パッケージもシンプルなら、内容もとてもシンプルな商品ですが、これが、ちゃんと使える箒と塵取に変身するわけです。

この切り込みが箒になる

塵取は、まあ分かると言いますか、単に紙を塵取の形に折るだけですが、箒は、あの、箒の先の一本一本の毛が、単に紙を折り曲げるだけで再現出来る、ちょっと不思議なものになっています。秘密は、上の写真のような、交互に入れられた切り込み。この切り込みの中央から折り曲げるだけで、この紙が箒になってしまうのです。

折り曲げると、箒が出来上がる

上の写真は折り曲げた所。こんな風に切り込み部分が立って、箒になるわけです。もちろん紙ですから、そう何度も使えるものではありませんが、紙に少し手を加えるだけで実用品になるというのは、それだけで嬉しいモノです。実際、折り曲げると見事に毛羽だっていく様子は、それだけでスペクタクル。紙の面白さを堪能出来ます。

紙箒と紙塵取の完成写真。キレイなデザインだ

朝食の後のパン屑を片づけたり、仕事机の上を掃除するのに向いた、小回りが利く使いやすい箒と塵取です。紙なので、色を塗ったり絵を描く事も出来ますし、それこそ、折り方、切り方を覚えれば自作も可能でしょう。その都度新しい紙で作る箒は、使い捨てコンタクトレンズのような、フレッシュな清潔感を感じられそうです。

ガイド納富の「こだわりチェック」

元々、文具好きは紙が好きなんです。ペーパークラフトが面白いのも、それが一枚の紙から作られるからだと思います。そこから実用品が生まれるなら、それは便利とか使えるという以前に、嬉しいことなのです。今回、紹介した「かみの工作所」の製品群がどれも魅力的に見えるのは、そんな「紙」を弄る嬉しさ、楽しさが大きな要因だと思うのです。

その証拠に、ガイド納富や、その周囲の文具好きが一番喜んだのが、最初に紹介した「1/100 建築模型用添景セット」なのです。実用という点からは最も遠い、「1/100 建築模型用添景セット」は、でも、紙という素材の魅力と面白さ、そして、工作するという作業の嬉しさが見事に製品の形になっているのです。

今回紹介した製品は、どれも価格的にも買いやすいし（まあ紙ですから、それほど高値は付けられないのでしょう）、自分で加えるひと手間を考えるのも楽しいし、とにかく一度手に取って欲しいと思うのです。自分の中の、忘れていた「工作好き」の血が甦るはずです。