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紙と布の間にある素材で作られたカバンなど(2ページ目)

和紙のようで、濡れても破れず耐久力に優れた素材を深澤直人氏がデザインすると、持っているだけで嬉しくなるカバンや手触りのいいブックカバー、渋く使える書類ケースなどが出来上がりました。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド


柔らかくて丈夫なナオロンは封筒向きの素材

SIWA「ひも付き封筒」2,940円(税込)

SIWAブランドからは、ナオロンを素材にした様々な製品が発表されていますが、中でも、ガイド納富が面白いと思ったのは、前ページで紹介したカバンと、既にガイド記事で紹介済みのメガネケース、そして、これから紹介する「ひも付き封筒」「ブックカバー」でした。この、柔らかいけれどしなやかで強靱という素材は、見た感じが多少くったりした方が似合うグッズに使われていると、とても魅力的に見えると思うのです。

懐かしい感じさえする書類整理用の封筒だ

中でも、この「ひも付き封筒」は、まるで、昔からの資料を保管し続けたかのような見た目で、でも、その封筒は破れるようなことなく、しっかりと内部の書類を守ります。その、不思議なギャップの面白さと、書類をまとめるための大型封筒としての機能の確かさが、一つの製品の中で両立しているのが、何とも嬉しいのです。

マチも広く、A4サイズの書類やクリアファイルをたっぷり収納できる

カバンと同じく、袋縫いされているので、二重になっていて強度への信頼性が高く、縫い目も目立ちません。手間はかかるものの、縫ったという、布製品的な見た目ではなく、まるで糊で貼ったかのように見える、その細かい所にも「紙」であることにこだわったデザインが、製品としての価値を高めていると思うのです。

大きさも、A4の雑誌が楽に入り、資料類を一纏めにしておくには最適。元々紙なので、油性マジックやボールペンで普通に文字も書けますから、分類整理にも使えます。もちろん、書類やデジカメなどを入れて、カバン代わりに持ち歩く事も出来ます(というか、ガイド納富は打ち合わせの時、これに色んなものを入れてカバン代わりに持って行きました)。

機能より手触りを重視したブックカバー

SIWA|紙和「ブックカバー」各色1,680円
色は他に黒がある。

SIWAのブックカバーは、もうこれ以上ないというほどシンプルです。栞もなければ、形も長方形。文庫本にこのブックカバーを掛けたところを遠目で見ると、単に、古くなったクラフト紙をブックカバーに仕立てたようにしか見えないくらいです。でも、手に取ってみると、「おっ」と思うくらい、手触りが良いのです。

栞やポケットはないシンプルな構造

感じとしては、使い込んだ和紙の手触りに近いと思います。それに少しベルベット的な感触を加えたというところでしょうか。左側も真直ぐなままで、裏表紙をベルトに通して、端は折り曲げて厚さを調整するタイプですが、ガイド納富は、ブックカバーは、このタイプが好きなので問題ありません。むしろ、このスタイルの方が厚い本に対応するのも気に入っています。

SIWAの製品は全て、手作業によるミシン掛けで作られている。その縫製の技術は見事だ

ブックカバーは、写真のブラウンの他に黒もあります。サイズは文庫サイズのみのようです。通常の紙のブックカバーでは、数冊読めば、もうボロボロですが、このブックカバーだと、そういうことはありません。むしろ、手触りや見た感じが、さらによくなるのではないかと期待しています(まだ使い始めて1ヶ月くらいなので、経年変化の実際は分からないのです)。

ガイド納富の「こだわりチェック」

SIWAが面白いのは、その素材の魅力だけではなく、この素材をクシャクシャにした時の皴まで含めて、それがカバンやブックカバーに向いた素材になるという、深澤直人氏の判断だったのだと思います。しかも、シワ見本が用意されていて、それを元に生産しているほどのこだわりよう。どんな風に皴をつけるかもデザインされているわけです。

そこまでこだわっているからこそ、シンプルな形状やスタイルが活きているのだと思います。実際、使っていて思うのですが、SIWAのバッグは、見ていると、その質感にまるで高級な革鞄に感じるようなカッコ良さを感じます。ただ、床に立てて置いているだけでも、不思議な風情があるのです。ブックカバーにしても、本当に何もないカバーなのに、使っていると、もう一枚、今度は黒を買おうかなあという気分になってきます。

ガイド納富は、あまり素材の魅力だけの製品が好きではありません。同じように、機能の魅力だけの製品も好きではありません。ただ、こんな風に、素材の良さをデザインが引き出しているケースなら、それだけで持っていて嬉しくなる製品になるのだなと、SIWAの製品に教えられました。


<関連リンク>

「SIWA/紙和」シリーズを作った大直さんのサイト

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六本木経済新聞「SIWAバッグ スクエア」制作の模様(画像)

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