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身に纏える薄マチショルダーバッグの機能性

袋のように使えるけど、薄マチでスタイリッシュにも使える、そんな自由度の高いショルダーバッグを紹介します。緩いフォルムと柔らかい革が実現した、ショルダーバッグ二種。使い出すと手放せない名品です。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド


くたっとした革バッグの時代

m+「PIATTO ALTO」
茶・黒37,800円(税込)、白39,900円(税込)

このガイド記事でも取り上げた、m+(エムピウ)のトートのようなブリーフケース「TENERA」は、革もフォルムも柔らかいことが、使いやすさにもデザインにもなるという、他に類を見ないコンセプトの鞄でした。緩くて、でもとにかく使い勝手が良いので、もうブリーフケースはコレ一個でいいかも、とかガイド納富は思っています(まあ、良い物が一つあれば他は要らないと本気で思えるなら、誰も苦労はしないんですが、気分としては、ということで)。

その名作「TENERA」を生み出すきっかけになったのが、今回紹介するm+のショルダーバッグ「PIATTO ALTO」「PIATTO BASSO」です。ブリーフケースである「TENERA」は、ショルダーバッグでは行きにくい場所やビジネス用として作られたのですが、そのショルダーバッグが、この「PIATTO ALTO」だったわけです。だから、基本的なコンセプトは「TENERA」と同じく、くたっとした柔らかさと、不定形になってもカッコ悪くならないフォルムの自由さです。

この革の良さとマチの薄さがポイント

しかも、それがショルダーですから、くたくた感はブリーフケース以上。しかも、その柔らかさを活かすために、思いっきりマチがない、薄型のバッグに仕上げられています。この薄さと、平べったさが、このショルダーバッグ「PIATTO ALTO」の最大の特徴なのです。

薄いものは薄いなりに、厚いものは厚いなりに
フレキシブルに形を変える「袋構造」の鞄

A4サイズを縦に収納できる大きさ

この「PIATTO ALTO」は、マチが薄いのであまり大きくは見えないのですが、実際のサイズは、写真のようにA4の雑誌を縦に並べて二冊入れられるほどです。A4が縦に入るというのは、資料などを持ち歩いたり、スケッチブックを持ち歩いたり、雑誌好きだったりする人には、これ以上ない便利さです。A4が縦に入るという事は、当たり前ですが、A4ファイルも楽勝で入るし、B4サイズが入るという事です。コンサートのパンフレットとか、大判の画集なんかも簡単に持ち歩けるのです。

A4雑誌を三冊入れた状態

しかも、マチが薄く作ってあるので、上の写真のように雑誌を数冊入れてるだけだと、とてもスリムです。しかも、革が柔らかいので身体に纏わりつくような感じで身に着ける事が出来ます。歩いていても、角がなくて、柔らかいので、鞄が身体に当たって痛いということもなく、不必要に揺れる事もなく、快適に歩く事ができました。普通に肩に掛けても良いのですが、たすき掛けにすると、一層鞄が身体にフィットして、荷物も軽く感じます。

大きな荷物もたっぷり収納可能

また、上の写真のように、大きな荷物も楽に収納してくれます。写真では、スタートレック・ファーストシリーズ(いわゆる「宇宙大作戦」ですね)のDVD全巻と、CD12枚と本がセットになった「CDブック 百器徒然袋 雨・風」(講談社)、それにヴィスコンティの製品ケース(これがまた豪華で大きいのです)を入れていますが、この程度なら、楽勝で収まるのです。この上に、手帳やiPodなどの日頃持ち歩くグッズを入れる事も出来ます。その収納力はかなりのものです。

中の荷物に応じて形を変える

それらを入れた上で、ファスナーを閉じたのが上の写真です。まるで、最初からマチをとって作られた鞄のように、キレイに収まってしまいます。「平たく作っておくと、モノを入れれば入れたなりに勝手にマチが出来るんです。それなら、平たいものを入れた時に平たく使える方が良いと思ったんですよ」と、m+主宰の村上雄一郎氏。一級建築士でもある村上さんらしい、構造と用途をしっかりと見極めたデザインになっているわけです。

細部まで使い勝手を考えたデザインと縫製

大きく使いやすいファスナー部。ストラップは柔らかい感触。

全体が一つの袋のようなものなので、もし壊れやすいとすれば、それはショルダーストラップとの繋ぎ目でしょう。なので、その部分はしっかりと補強されています。また、ストラップは柔らかい革が二重になっていて、縫い目が外側に来るようになっているので、多少荷物が重くなっても肩が痛くなりません。ストラップの長さも、メッセンジャーバッグ風の短さから、腰の下に下げるような長さまで、かなり幅広く調整出来ます。

シンプルながら必要なポケットは搭載

鞄の内部は、オープンポケットが二つと、大きめのファスナーポケットが一つというシンプルなもの。元々、口が大きく見通しが良いので、モノの出し入れはスムーズで、下手にポケットが多いと逆に使いにくい感じです。この最小限のポケットだからこそ、カジュアルに便利に使えるのだなあと、2ヶ月ほど使った今では思っています。何でも、ガチャガチャと放り込んで、サクっと肩に掛けて出かけるというのが、とても似合う鞄でした。Tシャツ一枚でも、ジャケットでもそれなりに似合ってしまうのは、デザインのさりげなさに加えて、やはり革の質感の良さです。良い革で、くたっと作る魅力は、m+ならではですね。

次のページでは、「PIATTO ALTO」をサイズダウンした「PIATTO BASSO」を紹介します


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