意外に沢山ある財布に求める条件
吉田カバン「PORTER SOAK 横型二つ折財布」
価格18,900円(税込) |
ガイド納富が、もう10年使い続けたナイロン製の財布の寿命が尽きてしまいました。破れるわ、臭うわで、もう使い続けることが不可能な状態になってしまったのです。いや、そんなになるまで使いたかった訳ではないのですが、「これ」という財布に巡り合わず、買い替えのタイミングを逃してきた結果でした。
ただ、その布製の財布の惨状を見て決意したことがあります。「次の財布は必ず革製にしよう」ということです。布の財布は長く使っても汚れるだけ。その点、革財布は、ちゃんとした革のものを使えば、長く使うほど味が出てきます。財布は毎日持ち歩き、取り出し、手にして使うものなので、その変化も劇的で使い甲斐があるものです。落語好きのガイド納富としては三遊亭円朝の名作三題噺「芝浜の革財布」にちなみたいという裏の動機もありました。
財布自体は、ずーっと探し続けていたので、いくつかの候補は考えていました。ガイド納富の財布の条件は、
1.二つ折、または三つ折でポケットに入るサイズ
2.柔らかい革で出来ていること
3.小銭入れのスペースがあること
4.チケットや領収書が入るスペースがあること
5.SUICAに対応していること
6.定期用の透明部分が無いこと
7.手触り、デザインが良いこと
8.カードは最低8枚は入ること
9.使えば育つ革であること
この9つ。書き出してみると結構厳しい条件で、中々見つからないのも無理はないと我ながら感心してしまいます。しかし、どの条件も外せないため、例えば吉田カバンの「PORTER CASINO」シリーズのような良い財布でも、英国製のブライドルレザーでは、馬具用の革だけに、どうしても厚くて硬いとか、ホワイトハウスコックスの財布も良いのだけれど小銭入れの設計に不満が残るとか、もう全然決まりません。
Porter SOAKシリーズの面白さ
大きくマチをとった小銭入れが外側に配置されている
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そうして探し続けている間に見つけて、他と比べたり、実物を見に行ったりして、現時点でのガイド納富が考える革財布のベストチョイスともいえるものが見つかりました。それが、吉田カバンの「Porter SOAK」シリーズの二つ折牛革財布です。
鞄と同様に、袋状に縫った後で裏返す手法を使っているため、コーナーが全て丸みを帯びて使用時にひっかからないとか、その丸みから生まれるフォルムの柔らかさ。表に大きく付けられた小銭入れや、札入れの内側にある長いファスナーポケットなどなど、機能とデザインが上手く結びついていて、デザイン優先でも機能優先でも無い、その両立具合など、ガイド納富が求めていた財布にかなり近いのです。
左右のカードポケットの下もポケット。SUICAもOKだ
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左右6つのカードポケットに加えて、カードポケットの下にもポケットがあります。そこにSUICAを入れておけば改札もスイッと抜けられるのも便利でした。また高さが10.5cmと大きめなので、札入れやロングポケットの高さに余裕があり、メモやチケットをキレイなまま保管することも出来ます。このあたり、想像以上の使いやすさでした。
決め手はイタリアンレザーの質感と深み
タンニン鞣の植物染めによる柔らかく風合い豊かな革素材
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何より気に入ったのは、革の質感です。イタリア製のショルダーレザーをタンニンで鞣した革は、SOAKシリーズの特徴。あの、かなり厳密に商品を選んでいる感のある伊勢丹メンズ館の財布売り場には、吉田カバン製の財布は、この「SOAK」シリーズだけが置かれていたのを見ても、このシリーズのレベルの高さがうかがえます。
何ともいえない、ちょっとクタッとした、それでいてボリューム感のある革。厚いのに柔らかく、血筋やしわがそのまま残る表面の仕上げが絶妙で、1週間も使っていると、ツヤが出て、さらにクタッとしてきて、良い感じなのです。この育ちの速さは、あまりしっかりとコーティングせずに、革の風合いを残してあるからですが、その変化の面白さと深さは、多少の傷つきやすさを補って余りあると思うのです。
色は、黒、焦げ茶、キャメルの三色ですが、ガイド納富はキャメルを選びました。革らしい質感の色だったということや、最近ガイド納富が気に入って愛用しているやはりイタリアンレザーのiPodケースと合う色だったというのが決め手です。革の場合、色が濃いほど、変化は肌触りとツヤ程度に留まるので、大きな変化を期待するならキャメルではないかと思ったのです。
ガイド納富の「こだわりチェック」
ということで、ようやくお気に入りの財布を見つけて、ガイド納富はかなりご機嫌です。マチを大きくとった小銭入れは、見渡しも良く小銭の取り出しやすさも良好。札入れの裏はピッグスキンで高級感と共に出し入れの滑りがちょうど良くて、使いやすさにも貢献。
カードポケットの数もちょうど良く、チケットも曲がらず破れずに保管できるなど、見た目以上に実用的です。折り畳んだ時に縦、横とも10.5cmと、ほぼ正方形になるのも良い感じですし、あまり無い構成なのに、スタンダードなデザインにも見える抑えたセンスもカッコ良いと思うのです。
<関連リンク>
・世界堂のSOAKシリーズ販売ページ
・田中カバン店のSOAKシリーズ販売ページ
・吉田カバンの財布を買うなら世界堂へ
・田中カバン店は吉田カバン製品の宝庫
・鞄工房土屋では、素材違いの財布を製作(現在品切れ中)