株・株式投資/株式投資のリスク管理や注意点

損切りラインの決め方、3つの視点

損切りをするときには必ず迷いが生じます。そんなとき、前もって「ここで切る」という意識があれば、損切りも案外スムーズにいくもの。今回は「どこで損切るのか」という基準を考えてみましょう。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

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「売り」と「買い」、どちらが難しい?

投資をするとき大切なことの1つが、買うタイミングと売るタイミングをはかるということです。一番いいのは、底で買って天井で売ることなのですが、これを絶妙のタイミングで寸分の狂いもなく、しかも常にできる人はいないといってもいいでしょう。だから、よく言われるのは「3で買って7で売る。頭としっぽはくれてやる!」ということなんですね。

タイミングとしては、買いと売りの2つがあるのですが、じゃどちらがより重要なのかといったら、私は売りだと思うのです。なぜかというと、買いよりも売りのほうが難しいからです。そこには、「株価がもっと上がるのではないか?」「もっと儲かるのではないか?」、含み損を抱えている場合も同じで「株価が戻ってくるのではないか?」という期待があるので、なかなかスムーズにいかないもの。

ただ、含み益がある場合、つまりここで売れば儲かるんだという場合には、気分的にもいいので「このあたりでいいかな」と思って売ることもできるのですが、含み損を抱えている場合には、そうはいきません。

そもそも、お金が減るということに関して抵抗があるので、損をすることを認めることができないという心理があります。結果何が起きるのかというと、含み損を抱えたままずっと株を保有すること。これを塩漬けというのですが、つまりは何もしないでいるということです。
 

資金効率を考えよう

でも、ここで考えることは、資金効率のことです。塩漬け状態になったままであれば、資金が動かないことになり、これはとても効率が悪いという見方もできるのです。

たとえば、50万円を投資に使って、現在5万円の含み損があるとします。仮にここで損切りをすると、資金は45万円になりますが、資金自体は自由になります。つまり次の銘柄に投資ができるというメリットが生まれるのです。

このお金を使って新しい銘柄に投資をして、45万円が50万になればトントン、さらに株価が上がって含み益が55万円になれば、塩漬けしておくよりもずっといいということになります。これが資金効率。

もちろん、塩漬けにしておくことでいずれ株価が戻り、さらに利益も出てくる可能性がないわけではありませんが、資金効率という視点でも考えていく必要があります。

とはいっても、なかなか損切りはできないもの。でも、あることをすると、比較的しやすくなります。それが損切りラインを決めること。つまり、「ここまで下がったら損切りをする」という自分なりの基準を決めればいいのです。

では、どうやって損切りラインを決めていけばいいのでしょう。方法は大きくわけて3つあります。

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