機能にデザインの魅力を加えたフォルティス

宇宙と縁が深い、逞しきモデル

フォルティスは、ロシアの宇宙訓練センターのオフィシャルウォッチに採用され、宇宙飛行士の装備品に選ばれているように、航空宇宙と縁の深いブランドとして知られる。1920年代に自動巻き機構を搭載する世界初の腕時計を製品化したことでも有名だ。Fortis（フォルティス）の名称は「強さ」を意味し、耐久性と高機能を兼ね備えるモデルを発表してきた。

2009年新作のハイライトは、回転計算尺を備える航空時計の「B-47カリキュレーター GMT 3タイムゾーン」。リング状の目盛りを回して計算を行うこの計算尺は、航空機の飛行に重要な速度や燃料などの各種の計算ができ、ナビゲーションシステムが未発達だった頃にパイロットたちに役立てられたもので、フォルティスでは約40年ぶりの復活だ。

もう一つの特徴は、GMT機能だ。時差のある別地域の時刻がわかるGMT機能は、本格的な航空時代を迎えた1950年代に腕時計に採用されるようになり、エアラインのパイロットたちが活用した。現在も、世界を旅する旅行者にとって、最も実用的な便利機能である。このモデルは、時針と分針により時計を現在を使用している地域の時刻、GMT針で第二タイムゾーンでの時刻、さらにベゼルを回転させて第三タイムゾーンでの時刻をも表示する“3タイムゾーン”システムを備えている。


「B-47カリキュレーター GMT 3タイムゾーン」は機能も魅力的だが、デザインにも見所が少なくない。ケースは、直径は47mmとラージサイズで、外側の回転ベゼルから文字盤の中心に向かって、すり鉢状の円形劇場のように深さを増していく立体的なフェイスが独特だ。ブラックとホワイトのメリハリにアクセントカラーのオレンジも鮮やかに映える。コントラストをはっきりさせ、表示機能と視認性を巧みに両立させている秀逸なデザインといえる。

ムーブメントはスイス製の自動巻き、ステンレススティールのケースは20気圧もの高い防水性を備えいて、価格は24万9900円。このモデルの場合も、高機能＆手頃価格を実現しているのは、フォルティスならでは。手頃価格の恩恵に与って、別売りのストラップも同時に手に入れたいところ。付属の茶色のカーフストラップは、かつてのパイロットウォッチの趣が強いが、カラフルなオレンジ、ホワイトのシリコンベルトや、ブラックラバーベルトを組み合わせると、表情がファッショナブルに一変し、まったく別の時計のように見える。シーンに合わせて付け替えれば、楽しさも一段と広がる。