男の腕時計/スイスの老舗高級ブランド

味わい深い復刻モデルが魅力のロンジン(2ページ目)

バーゼルワールドの会場で取材者たちの評判が高かった時計にロンジンの復刻モデルがある。懐かしいミッドセンチュリーの意匠をそのままに再現した傑作の数々は、価格も手頃で、機械式時計の魅力を手軽に楽しめる。

執筆者:菅原 茂

レジェンドミッション WWW
レジェンドミッション WWW
自動巻き、ステンレススティールケース
18万9000円

ロンジンには伝説に彩られた時計を復刻する「レジェンド」というシリーズがある。今年話題の新作は、1945年に英国空軍に納められたモデルを再現する「レジェンドミッション WWW」。リンドバーグをはじめ、航空史の中で重要な役割を担ってきたロンジンらしいこのパイロットウォッチは、ブラックラッカーの文字盤に英国空軍のシンボルマークを配し、当時の雰囲気を忠実に伝えている。ケース径も38.5mmと比較的小さいのが特徴。現代のトレンドに迎合した大型化を避け、あくまでもオリジナルの雰囲気を大切にしたところが秀逸。これも18万9000円という価格も素晴らしい。

また、2007年に発表され、あっという間に話題となった、1960年代のオリジナルを再現する「レジェンドダイバー」に今年はピンクゴールドバージョンも新登場。ゴールドとブラックの組み合わせが醸し出す独特の気品とスポーティ感が絶妙だ。

シルバーアロー
シルバーアロー
自動巻き、ステンレススティールケース
21万円


もう一つ見逃せないのが1950年代の初期のオリジナルからインスパイアされた「シルバーアロー」というモデル。「フラッグシップ」シリーズが伝統的なクラシックウォッチだとすれば、これはむしろ当時のスポーツウォッチの雰囲気を再現するモデルだ。スポーツウォッチといっても現代の一般的なイメージとはだいぶ違うが、そこがまた見所でもある。この時計の「シルバーアロー」とは、1930年代に、ボディの軽量化を図るため、塗料をはがした剥きだしのシルバーボディでレースに優勝したメルセデス・ベンツの逸話に由来する。

「シルバーアロー」は、オリンピックなどスポーツ計時でも活躍し、果敢な挑戦者たちにエールを送り続けたロンジンを象徴するモデルでもある。独特のラグ、シルバーダイヤル、アロー型針、強化プラスティック風防など、ディテールにもヴィンテージ感が横溢。これも21万円と、破格の価格だ。


【問い合わせ先】
スウォッチ グループ ジャパン ロンジン事業部
TEL 03-6254-7351
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