ユーザーフレンドリーなモデルもラインナップ
多少でも腕時計に関心のある方なら、パネライの名をご存じだろう。19世紀後半にイタリアのフィレンツェに精密機器メーカーとして発祥したパネライは、20世紀前半にイタリア海軍特殊部隊のために「ラジオミール」と「ルミノール」という腕時計を製作したことで知られる。現代の時計ブランドとして1997年に新たにスタートして以来、これら二つを軸にして魅力的なバリエーションを展開し、わずか10年で急成長を遂げた。当初は特異なデザインが脚光を浴び、大型腕時計のパイオニアとしてブームをリードしたパネライだが、最近では、とりわけムーブメントの自社開発に力を注ぎ、本物志向の機械式時計にますます磨きがかかってきた。
パネライ「ルミノール クロノ 40mm」。自動巻きクロノグラフ。ステンレススティール。90万3000円 |
ジュネーブの国際的な時計展示会SIHHでは、今年も話題作は少なくなく。とても全部を紹介するスペースはないが、いくつか興味深いモデルを選んでみた。まずは、「ルミノール クロノ 40mm」。パネライとしては久々の40mmケースでの新作である。初期のコレクションにも40mmケースのモデルは存在していたのだが、やはり個性が大胆に際立つスタンダードな44mmケースのほうに人気が集中していた感があった。
しかし、こうしてあらためて見ると、40mmは手首に無理なくフィットし、なおかつパネライらしい存在感も申し分なく、程良いバランスだ。手首が細い男性や、あるいは女性にも楽しめる。独特のリューズガードやプッシュボタンのデザインも新しいし、クロノグラフとはいえ、機能が目立たないほど控えめなデザインも秀逸だ。オールラウンドに使えるモデルだろう。
換装可能な新タイプのブレスレットが付いた、パネライ「ルミノール GMT 44mm ニューブレスレット」。自動巻き。ステンレススティール。88万2000円 |
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