男の腕時計/日本発の注目ブランド

革新的なセイコー ブライツ フェニックス(2ページ目)

時計というと、スイスばかりに話題が集中しがちだが、日本製品も見逃せない。3月発売のセイコーの「ブライツ フェニックス」は、本格指向の新しい高級ライン。機構もデザインも見所が多く、要チェックだ。

執筆者:菅原 茂

「キネティック ダイレクト ドライブ」の前代未聞のパワーリザーブ表示

もう一つの新製品は、伝統的な機械式クロノグラフではなく、セイコーならではの革新技術が興味深い「キネティック ダイレクト ドライブ」である。

キネティック ダイレクト ドライブ

「セイコー ブライツ フェニックス」、キネティック ダイレクト ドライブ。ステンレススティール・ケース、40mm。品番SAGG001、18万9000円。他に白ダイヤルまたは黒ダイヤル+ステンレススティール・ブレスレット付きもある

時計に詳しい読者なら、「キネティック」という言葉をご存じだろう。セイコーが独自に開発した、自動巻き発電クォーツで、発表からすでに20年近い。このムーブメントは、機械式自動巻きのように回転錘があり、その動きによって発電と充電を行う、いわばハイブリット・システムが特徴。そこにリューズによる手巻き発電機能という画期的な駆動機構を加えたのが最新の「キネティック ダイレクト ドライブ」である。

充電量

機械式時計のパワーリザーブ表示にあたる充電量表示。フル充電で1か月駆動する。Mは月、Wは週の意味。リューズを回すと、回した分の発電量も表示し、針の動きがおもしろい

この時計がおもしろいのは、パワーリザーブ表示があり、充電量のみならず、このリューズを回した際の発電量までもが示される点。実際に見てもらうのが一番だが、指針の動きがじつにユニークで、それを楽しむために、ついついリューズを回したくなるのだ。フル充電で約1か月動くので、日常使うぶんにはそうした「巻き上げ」は必要ないのだが、自分の手で時計に直接パワーを作り出している感じは、機械式の手巻きに通じる感覚があるし、なにより触ることで時計への愛着が増すところがまたいい。それゆえ、とくに大型リューズのデザインも凝っている。

視認性の高い精悍にしてスマートなデザインは、先のクロノグラフモデルと共通しており、価格はステンレススティールで18万9000円~19万9500円。4月25日発売予定のブライトチタンで21万円~23万1000円。これもまた、ジャパン・メイドの高技術、高品質を身近に味わえる秀逸な時計といえる。

【問い合わせ先】
セイコーウオッチ お客様相談室 0120-061-012
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