BMW/BMWの車種情報・試乗レビュー

精密機械仕立てが伝わるBMW5シリーズ(2ページ目)

6世代目に進化したBMW5シリーズ。よくできたシャーシや機械の精密さが伝わってくる足回りによる、気持ち良い走りをもつ美しいサルーンです。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

おススメは“昔ながらのビーエム”な528

BMW5シリーズ
535iにはインテークバルブのリフト量を無段階に可変制御するバルブトロニックを備えた直噴3リッターツインスクロールターボエンジンを搭載。最高出力306ps/最大トルク400Nmを発生、0-100km/h加速は6.1秒となる。528iの3リッターは最高出力258ps/最大トルク310Nm、550iの4.4リッターツインターボは最高出力407ps/最大トルク600Nm。マイクロハイブリッドと呼ばれるブレーキエネルギー回生システムも備え、535iの10・15モード燃費は10.6km/lとなる。これは旧型(540i)と比べ約40%向上している

従来からのBMWファンに受けそうなのは528である。重量を考えるともう少し力が欲しい(し、8速じゃ小刻み過ぎてという感覚もある)けれども、自然吸気ゆえエンジンをしっかり回しながら必要十分なパワー&トルクを得て、ハンドルと右足で積極的にクルマを操る楽しさを存分に味わえる、言ってみれば昔ながらのビーエムだからだ。

もちろん、よくできたシャシーあってのモノ種。アシの動きも、精密な機械仕立てであることがよく伝わって来て気持ちがいい。アクティブステアリングの違和感もほとんどなくなった。

BMWは意外にもEVをはじめ、フル電気仕掛けをいち早く取り入れようとしているわけだが、こういう自然吸気(といっても、バルブトロニックや回生システムなど最新テクノロジーは満載だが)エンジンと動きのいいシャシーの組み合わせもまた、やっぱりBMWの真骨頂だと思う。

535は、静かなるスポーツセダンである。8速ATとの組み合わせによって、もうCVTなんて見たくもないと思うくらいにウルトラスムースな加速をみせてくれた。気持ちがどんどん前のめりになって気分も盛り上がる。しかも上質で、もちろん速い。けれども、そのパワーの出しゃばり感と機械仕掛け感が5シリーズという車格にはトゥーマッチな感じもあって、528ほどには操っている気分になれないのが寂しい。真性BMWファンがこれで納得するのか、どうか。

550はさらに“やり過ぎ”。一番ええもん持ってこい以外に、一般のユーザーが実際に買って大満足できるかどうか。性能が著しく高いぶんだけ、逆に心配になる。それほど、過剰なパフォーマンスだ。

結論。普段のアシ、実用車として買うなら、528で十分。5シリーズらしさを存分に楽しめますよ。

BMW5シリーズ
車速に応じて前後タイヤ切れ角を最適化するインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングを採用。約60km/h以下では前後タイヤを逆方向に操舵し回転半径を小さく抑え、それ以上では同方向に操舵し走行安定性を向上させる

BMW5シリーズ
エンジンレスポンスやシフトタイミング等を3モード(ノーマル、スポーツ、スポーツプラス)に変更できるダイナミック・ドライビング・コントロールを備える。550iに標準化されているアダプティブ・ドライブやダイナミック・ダンピング・コントロールを装備すれば、コンフォートモードも追加される
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