クーペと変わらぬ快適性、エレガントさでは大いに優る
昨年12月に本国で発表された、クーペをベースとした4シーターオープンモデル。日本には3.5リッターエンジンを搭載したE350のみが導入された。サイズは全長4705×全幅1785×全高1395mm。価格は898万円となる |
やっぱりラグジュアリィなオープンカーはソフトトップに限ると思う。新型Eクラスカブリオレに乗って、改めてそう思った。
とにかく。乗っていてハードトップでなきゃいけない理由など、もうないのだ。厚さ23.5mmもある多層構造のアコースティックソフトトップを閉めて新型カブリオレに乗ってみれば、クーペと全く変わらない快適性(音や振動も含め)を実現している。心ない者にナイフを突き立てられるかも知れない、なんて精神的な不安はまだ残るかもしれない。それでもこれだけ分厚い幌を頑張って切り裂こうと思うくらい根性の座ったヤツが、姑息な切り裂きイタズラ魔に果たしているのか、どうか。
そして、何と言っても見た目にエレガントである。クローズド時はもちろんのこと、実はオープン時もサイドやリア上面のデザインがすっきりしているから、とても美しい。三日月型のウィンドウや、トップを開けたあとのディテール処理も、上手い! オープンカーは、実は開閉時のスタイルだけじゃなく、そういうディテールの美しさがあって初めて、真にラグジュアリィな乗り物になると思う。加えて、乗ってる方のファッションセンスもあれば尚よし。
そのあたりがどっちつかずになるリトラクタブルハードルーフは、だから、中途ハンパに見えるし、どこかビンボー臭くってイヤだ。ベンツSLのようにでかいモデルならまだしも、欧州D/Eセグメント以下くらいの大きさだと、硬い屋根を仕舞うスペースの問題もあって、どうにも格好悪く見えてしまうのだった。
遮音性や耐候性を向上させた新素材を用いた3層構造のアウターと、断熱と吸音効果の高い20mmのウレタンフォームを組み合わせたアコースティックソフトトップを採用。40km/hまでなら走行中にも開閉可能。ブラック、ダークブルー、ダークベージュの色を用意する |
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