マンタにインスピレーションを得た“エコ”なスーパーカー
環境に配慮したスーパースポーツをテーマとしたコンセプトモデル、クアランタ |
今からちょうど40年前。イタルデザイン初、つまりはジョジョット・ジウジアーロが自身の会社を設立して初めての本格コンセプトカーがお披露目された。その名は“ビッザリーニ マンタ”。ビッザリーニは、かのフェラーリ250GTOを作った天才エンジニアの名で、当時既に自分の名を冠したスポーツカー生産に乗り出していた。余談だが、ビッザリーニ5300GT(ISOグリッフォA3C)は筆者が最も好きなスポーツカーである。
マンタは、3人横掛けシートのミッドシップスポーツカーだった。スーパーカーと居住性の両立という大テーマを具現化したそれは、ジウジアーロのスーパーカー/パッケージングへの挑戦の始まりであった。
中央に運転席、その後に大人2人+子供1人分の座席が配置されている |
ジョルジョットの息子、ファブリツィオ・ジウジアーロはこう語る。「'08年春のジュネーブショーで発表したクワランタ(イタリア語で40の意)は、イタルデザイン40周年を記念したコンセプトカーだけど、父の作品であるビッザリーニマンタからインスピレーションを得たものだ。フェラーリモデナとほぼ同じサイズのスーパーカースタイルに、可能な限りの実用性を盛り込みつつ、現代的で先進のパフォーマンスを実現したかった。もちろん環境にも優しい性能を、だ。まず、レクサスRX(トヨタハリアー)用のハイブリッドエンジンとミッションをミッドに積むことにした。このユニットについては説明はいらないよね。ボディ上面、ルーフ以外にはソーラーパネルが貼ってある。これと回生ブレーキでバッテリーをチャージするんだ。せっかくハイブリッドシステムを積んだのだから、従来のようにワイヤやドライブシャフトといった物理的な繋がりを廃して、全て電気信号のやりとりに置き換えている。これによってパッケージングの自由度が格段に高まるからね」
全長4450mmのボディにハイブリッドエンジンとミッションをミッド配置 |
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