ランボルギーニらしさとは?

ランボルギーニ
ランボルギーニの最新モデル、ムルシエラゴLP640(右)とガヤルドスーパーレジェーラ(左)

ランボルギーニのイメージが、徐々に薄くなってきたと思っていた。

もっとも、この愛すべき暴れ牛は'70年代以降、嵐の海を漂流する難破船のような運命を辿って来たメーカーだったから、何の因果かドイツの立派な後ろ盾を得て(変わり身の早いアメリカメーカーより随分頼もしい!)、これでひと安心、と、いち猛牛ファン(バッファローズではない)としては安堵していたのだ。

GT-Rまで進化したディアブロの後継車がムルシエラゴ。そしてアウディ傘下初のオールブランニューモデルとなるガヤルド。ともにいかにもランボルギーニらしいスタイルに身をまとい、猛牛のオーラを発してはいたし、過去のスタンダードモデルを上回るパフォーマンスも見せてくれてはいた。

ランボルギーニ
ムルシエラゴは640psを発生する6.5LV12エンジンを搭載、ガヤルドは530psを発生する5LV10を搭載

ただ、毒の効きが足りぬとでもいおうか、はたまた存在の猛々しさが薄まったといおうか。“洗練”という言葉が思わず頭によぎってしまうほど、アウディ以降のランボルギーニは柔になったような気も一方ではしていた。

きっとランボルギーニの首脳陣も知っていたのだと思う。まずはブランドとしてのビジネスを立て直す必要があったのだ。そのためには、何はともあれ台数である。フェラーリ級とまでは言わずとも、それを目指す数字を数年で出さなければならない。2ペダルロボタイズドミッションも得たし、アルミニウムのスペースフレームにアウディ由来の信頼性の高いV10も導入した。ガヤルドのにはランボ久方ぶりのフルオープンモデルだってある。

結果、世界的にみて販売台数は飛躍的に伸び、そろそろ本来のランボルギーニらしさをアピールしなければいけない時がやってきた、というわけだ。トラディションを盛んに訴えるようになったのも、同根の理屈である。

ランボルギーニらしさとは、何か。

私はそのことをとてもシンプルに考えている。フェラーリが嘶く駿馬のごときエンジンで我々を魅了するのと同様に、ランボルギーニもまたかのエンブレムの如き荒々しさ/猛々しさをもって、ドライバーに向き合ってくれれば、それで十分なのだ。腕力の必要なクルマであることを、教えてくれればそれでいい。

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