バランスの良い美しいフォルム
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シングルフレームグリルに加え、8個のLEDで構成された左右のデイタイムランニングライトが特徴的なフロントデザイン |
クーペの魅力は1にカタチである。誰が見ても美しいと思えることが基本的な条件だ。もちろん、ユニークなカタチのクーペというものも存在する。ただし、それはあくまでもクーペ上級者の選択だ。原則美を貫くのがクーペの基本である。
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ピニンファリーナとのコラボレーションによって生み出されたプジョークーペ407 |
FFベース(試乗車は3.2V6FSI+クワトロ4WD)ということで、最も懸念されるのがサイドから見たプロポーションとタイヤの位置関係だ。プジョークーペ407を見ればよく判るが、素晴らしいクーペシルエットを持ちながらも、前輪の位置が“後ろ過ぎ”で、その結果、前を伸ばすことでしか全体のバランスが取れていない。メカニズムがすべて前にあり、衝突安全性にも厳しいためだ。昨今のFFクーペは皆、この“難題”を抱えている。アルファロメオブレラもそうで、ただこのクルマの場合はユニーク路線を歩んだため上手く隠せた。
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個性的なリアビューをもつアルファブレラ |
アウディも本来なら、そうなるはずである。ところが新しいA5はそう見えない。クーペフォルムが美しいのはもちろんのこと、タイヤもバランスよく収まっている。ここに、A5最大のポイントがあった。
クルマ好きならば“ピン”ときたと思うが、このクルマ、次期型A4の新プラットフォームを使っている。このプラットフフォームではドライブシャフトの位置がおよそ100mm、クランクケース下へと前進しており、ほぼエンジン重心に前軸が置かれることになった。これにより、フロントオーバーハングを切り詰め、あごの出っ張ったFFスタイルではなく、ほぼFRのようなプロポーションを可能としたのだ。ホンダの5気筒インスパイア&ビガーを思い出した方は相当なクルマ好き……。
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水滴型のメーター類とセンターコンソールが1つのユニットに仕上げられたインパネ |
アウディA5のあるシーンは
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