のんびりした田舎の雰囲気とともに楽しむ世界遺産
インドでは、ひょんな片田舎に忽然と世界遺産が出現している例も少なくありません。アクセスがやや不便ながらも、いざ行って見ると、周囲のどのかな農村風景と一体となっているが故の、おおらかな魅力にとりこになること必至。ここでは、多くの旅行者が「インドの心に残っている場所」として挙げている3ヶ所をとりあげます。田舎の遺跡1 カジュラホの建造物群(1986年世界遺産登録)
寺院の外壁にびっしりと施された官能的なミトゥナ(男女交合)像で有名なカジュラホは、デリーから約600キロ南東にあります。マディヤプラデーシュ州の田舎の、のどかな雰囲気が漂うカジュラホの村は、あわただしく騒音の鳴り止まないインドの都市から離れて、ほっと一息をつける場所。この地に栄えたチャンデラ王朝が10~12世紀にかけて建設した寺院85ヶ所のうち、現存するのは25ヶ所。この寺院群を有名にした、壁面にびっしりと彫られたミトゥナ像は官能的というよりは、なんともおおらかな豊かさがあり、感動必至です。
つい最近までは電車が通っていなかったためアクセス困難でしたが、近年やっと電車が通るようになりました。今のところデリーからの直通列車はありませんが、ジャンスィーから毎日1本、カジュラホ行きの電車が出ています(ジャンスィーまでは、デリーから数本の電車があり)。
田舎の遺跡2 サーンチーの仏教建築物群(1989年世界遺産登録)
マディヤプラデーシュ州の州都ボーパールから、バスで3~4時間行った丘陵地帯に忽然と現れる世界遺産「サーンチーの仏教建造物群」。自ら起こした戦争の悲惨さを目の当たりにし深く反省したアショーカ王が、仏教保護のため、この地に8つのストゥーパ(卒塔婆)を建立したと言われており、そのうち3つが現存しています。半球形の石造りの巨大なストゥーパは、てっぺんにアンテナのようなものがついているようにも見え、なんとも不思議。また、トラーナと呼ばれる門は鳥居の原型であるという説もあります。
古代仏教の一大中心地であったサーンチーは、今は、周囲にひたすら丘陵風景が広がっているのどかな場所。小高い丘にあるストゥーパの後ろに広がる風景を見れば、インドの豊かな自然を感じられるでしょう。
田舎の遺跡3 ハンピーの都市遺跡(1986年世界遺産登録)
ヒンドゥー教勢力が14~16世紀勢威を振るっていた頃に、現在のカルナータカ州に設立させた王朝ヴィジャヤナガルの首都であったハンピー。美しい階段状の井戸
一番近い都市はインドのシリコンバレー呼ばれるバンガロール。