濃密かつ臨場感あふれるサウンド

技術的な話をすると難しくなってしまうので、音のインプレッションをお伝えしよう。よくできたデジタルオーディオは、デジタル臭さを感じさせず、アナログの音に近づくともいわれるが、そんな感じの音だ。
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トランク内にインストールしたメインユニット。2台のアークオーディオのパワーアンプに挟まれたのがそれ


音の密度が濃くて、音像一つ一つの存在感が強く、音像と音像の隙間の空間にも音の情報が詰まった感じ。だから空間の表現力が高く音場を見事に再現する。これほど、広がりや奥行き感を感じる音をクルマの中で聞いたのは、久しぶり。さすが高いだけの事はある、と納得だ。

パッシブネットワーク使用で距離差補正が可能

ところでデジタルプロセッサーというと、クロスオーバー、イコライザー、タイムアライメント機能が3点セットで、マルチアンプシステムを組むのが主流だが、DA-PX1にはマルチアンプにせず、パッシブクロスオーバーネットワークを使って、タイムアライメント調整が可能な機能が搭載されている。それがマルチウェイ・タイムアライメントだ。

これはスピーカーユニットの周波数帯域ごとに任意の時間差を付けられるというもの。従来のタイムアライメントはスピーカーの個数分、パワーアンプの出力が必要、つまりごくシンプルなフロント2ウェイシステムなら、左右のウーファーと左右のトゥイーターの計4個=4チャンネルのアンプが必要で、スピーカーが増えると必要なアンプのチャンネル数も増えていくという具合だったが、マルチウェイ・タイムアライメントなら、2ウェイスピーカーだろうが3ウェイスピーカーだろうが、2チャンネルアンプがあればいい。

受注生産で納期は受注から3~4ヶ月

タイムアライメント=マルチアンプが常識だったので、どんなものかと疑心暗鬼だったが、聞いてみるとまったく違和感なくユニットごとの補正がとれていて、運転席を特等席とした自然な音場が展開する。周波数を設定して遅延処理を行う方式だから、厳密にいえばウーファーからもトゥイーターのために遅延をかけた音が再生されたりしているはずなのだが、その成分は減衰されているためか、自然な音が楽しめる。またサブウーファーだけは、独立したチャンネルが用意されていて、マルチアンプによる独立したタイムアライメント補正ができる。

ほかにもアジャスタブルFIRイコライザー、リアルビット、リモートポテンシャル伝送方式など、技術は満載。国内15件、海外6件の特許を出願中とのことで、それほど新しい技術が満載されているDA-PX1は、受注生産で、受注から納品まで3~4ヶ月の時間が必要とのこと。80万円という価格は高いが、ホームオーディオで、これだけの技術、性能を持つ機器は、一桁違う価格設定になるだろうから、考えようによっては高くはないともいえる。クルマの中で高音質再生にこだわるマニアなら、機会を見つけて一度、音を確認してみるべきだ。

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