不況の中、来場者激減の今年のCES
世界規模で拡大する不況のなか行われた今年のインターナショナルCES。家電業界もその波には逆らえず、会場の規模は例年と変わらないながらも、会場と各ホテルを往復するシャトルバスに並ぶ人の列が短い、会場の中が歩きやすいといったあたりからも、来場者の減少がわかる。CES会場のラスベガス・コンベンションセンター |
メモリータイプのAVナビが主流に
気を取り直して、出展しているブースの製品から今年の傾向を探ってみたい。まずAVナビだが、ハードディスクナビが無くなり、軒並みフラッシュメモリーを採用したタイプに変わっているのに気づく。パイオニアAVIC-F900BTは楽ナビライトのアメリカ仕様という感じ |
日本でもメモリーAVナビが主流になるのか
日本でもこの流れに沿ってハードディスクタイプのAVナビがメモリータイプに置き換わるのかというと、そうとは限らないだろう。もともとアメリカ市場は、1000ドル以上のカー用品は売れないという土壌があり、それに合わせて各メーカーはAVナビといえども廉価なモデルを開発する努力を続けてきた。そのため、アメリカ市場向けのモデルと日本仕様が同じとは限らないのだ。また、カーナビの普及は日本市場が突出して早かっただけに、日本のカーナビがもっとも進んでいるという事情もある。PNDの登場で、ここ2~3年のうちに急速にカーナビが普及したヨーロッパやアメリカの市場なら、PNDにAV機能を加えて多機能化を図ったメモリータイプのAVナビでも、十分にありがたみがあるが、日本の最先端のカーナビを使った経験がある人なら、いまさら後戻りできるものではない。おそらく、普及モデルやミドルクラスのカーナビは、メモリータイプに置き換わるとしても、最上級モデルには、日本独自の最先端モデルを用意しているのではないだろうかと予想される。
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