カーオーディオにもエコの波!?
昨年から傾向はあったのだが、今年はより顕著になった。効率良く増幅できるD級増幅の採用によるパワーアンプのコンパクト化と省電力化である。JLオーディオが参考出品したデジタルアンプ。トップパネルはB5サイズ |
パイオニアのPRSシリーズ。これは2chのPRS-D2100T |
ところでデジタルアンプとは?
デジタルアンプ、またはD級アンプとは、スイッチを高速でON/OFFする(スイッチング動作)によって、信号を増幅する方式。一般的なパワーアンプはA級、AB級、B級アンプといって、トランジスタやパワーICなどの素子の信号増幅機能で増幅しているのだが、これらとは動作が違う。一般的なアンプはつねにトランジスタに電流が流れているので発熱する。とくにA級アンプは信号の有無や強弱に関わらず一定以上の電流が流れるため熱くなりやすいし、大パワーを引き出しにくいのだが、歪みは最も少ないので高級アンプに好んで採用される。
D級アンプは逆に、少ない消費電力でハイパワーを引き出すことができるし、発熱も少ないのだが、歪みという点では不利とされている。そのため、数年前までは主にサブウーファー専用のモノラルアンプとして使われることが多かった。しかし、ここ数年で一気に高音質化、フルレンジ化の開発が進み、一気にハイファイ用のアンプとしても使われるようになってきた。とくにB&O ICEpowerが開発したデバイスが出回ってから、続々と高音質のD級アンプが登場し始めたわけだ。
次ページはほかにも続々と登場したパワーアンプの注目モデルを紹介します。