神話性


長い歴史は必要なくとも、高級車には「神話」が必要と考える。

たとえばロールスロイスの「走行中、聞こえてくるのは時計の音だけ」、あるいは「僻地でロールスが故障し、メカニックがヘリコプターで来て修理。オーナーが後日修理代のことを尋ねると『何かのお間違いでは?ロールスが故障することはありません』」。

ほんの10数年前までのメルセデスの、テールランプに凹凸があるのは「泥跳ねしても、凹面には泥がつかず視認性が保たれる」とか、「乗り心地のために、シート内部にはやしの繊維や馬の尻尾が使われる」とか・・・

それは事実であっても、そうでなくても構わない。他とは違うそのクルマならではの、「神話」として人々に伝わることが重要だ。長い「ヒストリー」は必要ないが、「ストーリー」は必要なのだ。

ISのドアトリムに見られる「切り返し」。ドアハンドルの裏から覗くシルバーの加飾は、着物の襟から覗く挿し色のようだ。細やかなデザインは、レクサスならではの「ストーリー」になっていくだろうか?