メルセデス・ベンツ/メルセデス・ベンツの車種情報・試乗レポート

質実剛健 メルセデス Vクラス

対座シートやスライド式テーブルなど魅力的な装備を備え、広大なインテリアスペースを持つVクラスは、ミニバンを超えて使えるクルマだ。

執筆者:松本 明彦


居住性重視の箱型ボディ

メルセデスのミニバン、Vクラス。

メルセデスのミニバンVクラスが登場した。元々Vクラスの名前で登場したものが、一時ビアーノと変わり、今回のマイナーチェンジを期に、再びVクラスの名に戻された。

居住性重視の箱型ボディ。

ミニバンは一般的には、1Boxタイプ、ステーションワゴンタイプ、コンパクトワゴンタイプの3つに分類されるが、メルセデスにはステーションワゴンタイプのミニバンとしてRクラス、1BoxタイプのミニバンとしてこのVクラスが用意される。そのサイズは4755×1910×1900mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース3200mm。大きく感じるが、実は全長はアルファードやエルグランドより短いくらい。しかし全幅は100mmほど広く、ホイールベースも300mmほど長く、タンブル(正面から見たボディ上屋の内側への倒れ込み)も少ないため実際のインテリアのスペースは広大だ。

全長5000mmのグレード、アンビエントロングも用意されるVクラスだが、標準ボディでは、アルファードやエルグランドより短く、幅広く、長いホイールベースを持つ。

ノーズを短く、キャビンを大きくした1Box形状は、居住性をまず第一に考えられている。タンブルフォーム、ターンアンダー(正面から見たボディ下側の内側への絞込み)も少なく平面に近づけたサイド断面、立ったリアウィンドウは箱型に近づけた形状。そのサイド断面の張りは、アルファードやエルグランドなどの乗用ミニバンより、むしろハイエースやキャラバンなどの商業1Boxの張りに近い。何よりインテリアスペースを重視した結果のデザインだ。しかしそのデザインがただの箱にならないよう、動体として、動きをつけるデザイン処理がなされている。

タンブルフォーム、ターンアンダーも少なく、大きなR(平面に近い)のサイド断面は、広大なインテリアスペースのため。

その一つがヘッドランプの後退角であり、そこからフェンダー、ショルダーに続くキャラクターラインだ。流星が流れるように、走り去るさまを見せる。またドア前端から始まるキャラクターラインは、勢い付けスライドドアレールへと流れる。良く見ると、ドアのプロテクターも、先端が細く徐々に太くなり、前に進む勢いを表す。またウィンドウのオープニングラインも、D(前からABCD4本目、最後端)ピラーで丸く角度をつけ前傾し、ただの箱に見えないよう処理がなされている。

サイドのキャラクターラインが、箱のVクラスに動きをつける。
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