マセラティ/マセラティ

華のマセラッティ グランスポーツ

マセラッティ クーペを特別仕立てにしたグランスポーツ。その美しいデザイン、豪華なインテリアには、華がある。

執筆者:松本 明彦


非日常性の中に垣間見せる日常性

特別仕立てのマセラッティ グランスポーツ。

マセラッティ グランスポーツは、マセラッティ クーペをチューン、デザインもエクステリア、インテリアともに、特別仕立てにしたスペシャルモデルだ。

クーペより10mm低い全高。サイドシルスポイラーやリアスポイラー、リアバンパーエアベントのクロムメッキグリルもグランスポーツのみの装備。

クーペより10mm低い全高で、クロームメッキのメッシュグリルを採用。センターに輝くトライデントには、コンペティションモデルのみに許される赤いラインが入る。ロアースポイラーもクーペより低く伸ばされ、特徴的なサイドシルスポイラーやリアスポイラーも装備され、CDは0.33を実現する。

コンペティションモデルのみに許される、トライデントの赤いライン。

グランスポーツのデザインは、ジウジアーロによる先代マセラッティ 3200GTを基本とする。サイズは4510×1825×1295mm(全長×全幅×全高)、ホイールべース2660mmのやや大型の2ドアクーペだ。このディメンションは、グランスポーツのポジショニングも表している。たとえばクルマのデザインで幅の広さは非日常性を表現し、グランスポーツも広い全幅を持つ。しかしより上のクラスのスーパーカーよりは全幅が抑えられ、全長に対する全幅の割合も小さい。これはグランスポーツが、非日常的なGTスポーツながら日常性にも配慮され、造形的にも「飛び過ぎていない」ことを表す。また低いグリルの位置はスポーティーさを表現し、グランスポーツもヘッドランプより低いグリルを持つ。しかしやはりより上のクラスのスーパーカーほどは低くなく、スポーティーさでも「行き過ぎていない」デザインになっている。

ヘッドランプより低いグリルは、スポーティーさを表現。グランスポーツのグリルは、クロムメッキのメッシュだ。

そしてイタ車に共通のロングフロントオーバーハングとショートリアオーバーハングが、前進感を表現。一見ロングノーズに見えるが、それはフロントウィンドウがプランヴュー(平面図)で大きく回りこみ、Aピラーが後退しているせい。加えてCピラーも内側に倒れ巻き込まれるため、フロント及びリア3/4ヴューでは、特にスモールキャビンに見える。しかし実は、ロングルーフにファストバッグも緩やかでハイデッキのため、思いの他ビッグキャビン。そのおかげでグランスポーツは、大人4人が乗れるインテリアスペースも確保している。これだけビッグキャビンなのに、スポーティーに見えるデザインがうまい。

意外にビッグキャビンだが、フロントウィンドウがサイドに回り込み、Aピラーが後退しているのでそうは見えない。

グランスポーツは、非日常的な華のあるGTスポーツながら、日常性のあるデザインや機能も垣間見せるクルマなのだ。

ロングルーフのハイデッキは、インテリアスペースも確保する。
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