ブランドとデザイン
アドバンスト・デザインセンターオブジャパン部長オリビエ・ブーレイ氏 |
「それはお客様の今後のご意見をお待ちしているところです。時代が変われば好みも変わります。今はお互いにアイデンティティを模索しているところです。日本においては、新型Sクラスは好評で、すでにかなり多くの予約をいただいています。(笑)」
-新型Sクラスでは『「伝統」と「革新」』というキーワードを聞きました。従来のメルセデスでは「クラス、車種が変わっても、迷うことのない操作性」が当たり前でした。「泥跳ねしても視認性を確保する、凹凸の付いたテールランプ」もメルセデスのアイデンティティだったと思います。しかし新型SクラスではCOMANDシステムを採用し、全く操作方法を変えたり、空力のチューニングで泥跳ねしなくなったのでテールランプの凹凸も控えめとなりました。この辺りはいかがでしょう?
「メルセデスも30年代40年代、50年代60年代とドラスティックな変革があったはずです。キープフィロソフィー、哲学は抑えながら、守るところは守り、次の革新を目指さなければいけません。10年ほど前、BMWも大きな変化がありました(クリス・バングル氏がBMWのデザイン・ディレクターになってからの事を指すと思われる ※松本注)。けれど今では誰もそれを疑う人はいません。キーエレメントも時代と共に変化するのです」
空力が向上し、凹凸が控えめになったテールランプ。 |
-デザインとブランドの関わり方についてお話を頂けますか?
「プロダクトフィロソフィーを3Dに投影するのがデザインです。言い換えればブランドを可視化するのがデザインです。エンジニアリング、プランニング、マーケティング・・・それらとディスカッションし、調整するのがカーデザイナーの役目です。だからデザインだけとって、いい悪いと言うのはアンフェアです(笑)」
最新のCOMANDシステムを採用したインテリア。 |