パーソナルを演出するデザイン
メーター周りも含め、室内幅ほぼ左右いっぱいの「1枚もの」のウッドパネルは圧巻。このクルマは、マットなシルクマットウォールナットウッドを使用。 撮影:松本明彦 |
コンソールはフロントからリアにゆったりと繋がり、リアシートを贅沢にも2名分とした。リアには電動のブラインドも装備される。 撮影:松本明彦 |
CLSデザインの特徴は、まずクーペ並みの低い全高とアーチを描いてリアエンドに流れるルーフラインだ。流麗なそのラインはまるでクーペのよう。またフロントフェンダーから立ち上がり後方へ伸びるボディサイドのキャラクターラインは、高いショルダーライン(サイドウィンドウ下端)と相まって、伸びやかさとパーソナル感(個)を強調する。スリーポンテッドスターを中央に大きく配したグリルと共に、4ドアでありながらパーソナルなクーペを演出しているのだ。
シートの調整は、ドア部にあるシートの形をしたスイッチを動かす。直感的に分かりやすいスイッチは、メルセデスならではのもの。 撮影:松本明彦 |
インテリアでは、メーターパネル周囲部まで及ぶ、ほぼ室内幅左右いっぱいの1枚板のウッドパネルが圧巻。センター部や左右で分割したり、メーターパネル部は素材を変えたりするのが普通だから、左右いっぱいに1枚板のウッドを使うのは実に贅沢だ。このウッドは、光沢のあるハイグロスローレルウッドとマットな(光沢を抑えた)シルクマットウォールナットウッドを選べる。ハイグロスローレルウッドは分かりやすい高級感があり、シルクマットウォールナットウッドは書斎のライティングデスクのような、クルマとしては新しい価値観を提示してみせる。スピードメーターは、手前に各種情報を表示するマルチファンクションメーターを配置する凝った作りで、時計メーカーが関わっているといわれる。
エアコンパネルは、インパネに沿った曲面を描く。ドライバーとパッセンジャーで、別々の温度設定が可能。リアも左右それぞれ別々の設定が可能だ。 撮影:松本明彦 |
インテリア全体が、居心地の良い柔らかな曲面でデザインされている。ルームランプ部も曲面だ。 撮影:松本明彦 |
そのパネル部のエアコン操作部は、パネル曲面に沿ったCLS専用のデザインで、ドライバーとパッセンジャー左右別々の温度コントロールができる。CLS500以上のグレードは、シート、ドア内張り(センター部分)、センターコンソールふた、リアセンターアームレスト、ドアアームレストセンターに本革を使用。ドアセンター部分以外の内張り、インストゥルメントパネル、センターコンソールなどには、自動車の内装材に適した耐久性のある新開発ポリウレタンを使用する。部位によって本革とポリウレタンを使い分けてはいるが、丁寧にステッチも施され高級感を演出する。コンソールはフロントからリアまで一体に繋がり、リアシートを分割し2名分とした。リアのエアコンも左右で別々にコントロールが可能だ。低い全高とアーチを描くボディデザインだが、ボディサイズが十分に大きいので、リアシートも快適に過ごせる。その広いリアシートをセンターコンソールで仕切り贅沢に2名分にすることにより、豪華な装備の数々と相まって、インテリアでもパーソナル感を演出しているのだ。
パッセンジャーシート座面下には、ファーストエイドキットが。このあたりもメルセデスならではの装備。 撮影:松本明彦 |
前後バンパー付近の障害物を、アラーム音とインジケーターで知らせるパークトロニック。写真はフロントのものだが、リアにもインジケーターが備わる。 撮影:松本明彦 |