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3年で1200万円落ち!コンチネンタルGT(2ページ目)

2009年最初のおいしい中古車は、庶民には手は出せないけど、たった3年で1200万円も値落ちしているベントレーコンチネンタルGTを紹介。ITバブル華やかなりし頃(?)の貴公子が、もうこの値段とは…。

籠島 康弘

執筆者:籠島 康弘

中古車ガイド

トヨタ株同様、明らかに安いと思います

ベントレーコンチネンタルGT  インパネ
写真では分かりづらいのですが、センターコンソールの、ナビゲーションの上、2つの送付口の間にあるのは、時計メーカーで有名なブライトリングの時計が奢られています。黒いダイアルと白地は、ベントレーのレーシングマシンの計器類からのモチーフで、針の色はブラッドオレンジです
現行ベントレーコンチネンタルGTは、ベントレーがVWグループ傘下に入ってから登場した車です。プラットフォームをVWフェートン(日本未導入に終わった同社の最上級車)やアウディA8と共用することで、ベントレーの中では“安く”作られたといいます(なにしろ同じベントレーのクーペ、ブルックランズのお値段は4070万円!)。心臓部はアウディA8などと同じ6LのW型12気筒エンジンで、ツインターボを備えます。最高出力は412kW(560ps)/6100rpm、最大トルク650Nm(66.3ps)/1600rpm、0-100km/h加速はわずか4.8秒、最高速度は318km/hと価格同様超弩級のスペックです。このパワーを同グループお得意の4WDが路面にしっかり伝えてくれます。

サイズは全長4815mmx1920mmx1400mmと、現行クラウンより55mm短く、125mm幅広で70mm低いプロポーション。エンジンのパワーを考えればさほど大きくはないのですが、車両重量は2420kgと2tを超えます(ちなみにクラウンは約1.6t)。そのボディに乗ることが許されるのは4名のみ、しかも後席は大人の男性なら頭がつかえます。優雅な2人乗りと割り切ったほうがいいでしょう。

インテリアは、いくらVW傘下とはいえそこはベントレー。英国の超高級車の法則ともいうべきウッドパネルと本革がこれでもかというくらい奢られています。しかもそれが現在のVW水準の、緻密な製造技術で仕立てられているのです。

大人の男性が乗り込むことが難しいリアシートは、左右それぞれ分離されており、しかもその間にはウッドパネルで飾られたコンソールボックスが横たわります。こんな後席で暮らす子どもの行く末を考えると、うらやましくもあり、恐ろしくもあり…。

ベントレーコンチネンタルGT シート
シートはベントレーが自社でデザイン。インテリアチームは、どんな体型のドライバーでも最高の乗り心地を保証するため、わざわざニューヨークまで出かけてバスケットボール選手の身体測定を行ったという噂もあります
エアサスペンションが優しい乗り心地を作り出しますが、もちろんフニャフニャなわけがありません。しっかりした柔らかさでGT=グランドツーリングの名に恥じない、ラグジュアリーな乗り心地を提供してくれます。

それでいて、W12ツインターボの目を覚まさせれば、まさに猛獣。先ほどの超弩級パワーで周りの景色をあっという間に後ろへと追いやります。彼にとって2.4tという体重は、実はまったく大したことがないのです。むしろその体重でいながら体脂肪率はすっごく低く、すべて筋肉でした、という感じ。日本でこの加速感は、無用の長物なのでしょうけれど。

確かに1200万円の値下がりは大きなものですが、高級車はたいてい最初にガクンと下がり、それから緩やかに値落ちしていく傾向があります、今までは。ですからベントレーGTが100万円を切るのは相当先の話だと見るべきでしょう(たいていはその値段に落ちる前に、姿を消してしまいます)。

しかし今後の日本の中古車市場において、大排気量クーペが値落ちを続けるのも間違いない話。景気次第では意外と早くやってくるかもしれません。個人的に確信できるのは、今のトヨタの株が実力以上に安いのと同様、わずか3年で1200万円も値が下がったコンチネンタルGTは間違いなく安いということです。

このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。2009年もさらなるおいしい中古車を探してみたいと思います。


【関連リンク】
カーセンサーnet
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