取得価格50万円以上の中古車を購入した際に納付しなければならない自動車取得税(以下、取得税)。ここでいう「取得価格」とは、販売店に支払った「購入価格(=車両本体価格)」とはほとんど無関係に算出されるのですが、その算定方式はちょっとややこしく、販売店でも税事務所に問い合わせて納付額を確認しているのが実態です。
算出方法は、そのクルマの新車時価格に、以下に示す年式に応じた減価償却の係数を掛けてゆく、ということになります。ちなみに軽自動車はこの係数が異なります([ ]内が軽自動車の場合の係数)。
1年落ち・・・0.681 [0.562]
1年半落ち・・・0.561 [0.422]
2年落ち・・・0.464 [0.316]
2年半落ち・・・0.382 [0.237]
3年落ち・・・0.316 [0.177]
3年半落ち・・・0.261 [0.133]
4年落ち・・・0.215 [0.100]
4年半落ち・・・0.177
5年落ち・・・0.146
5年半落ち・・・0.121
6年落ち・・・0.100
もっと正確に言うと、「新車時価格(グレードや仕様まで細分化して算定。購入価格ではなく、あくまでもメーカーが発表している価格)×0.9×上記係数」で取得価格が決まります。新車時価格に無条件に0.9を掛けるのは、新車に対する値引きを勘案し、一律で10%の値引きがあったと仮定しているから、という理屈だそうです。
取得税の税率は5%(軽自動車は3%)なので、取得価格が100万円だった場合、取得税は100万円×0.9×0.05=4万5000円。結構な負担ですよね。
私が10月に購入した00年6月初度登録のM・ベンツCクラスワゴンは、新車時価格が400万円で購入時点での係数が0.146だったので、取得価格は400万円×0.9×0.146=52万5600円となり、取得税がその5%の2万6200円(100円未満切捨て)だったのですが、取得価格があと2万5600円低く算定されていれば免税となり、納付額は0円で済んだのです! ではどうすれば取得価格は50万円以下になりえたのでしょうか?
上で説明したように取得価格は初度登録から時間が経過するにつれて安くなります。私のCクラスの場合00年6月が初度登録なので、購入した04年10月時点では、厳密に計算すると4年4カ月落ちですよね。ですが、税事務所の算出では5年落ち扱いになるというのですよ。そして翌年1月になれば5年半落ちになったので取得価格は50万円を下回り、取得税は免税になったはずだと。
どういうことかというと、初度登録したその日から、そのクルマの取得価格算定の上での扱いは1年落ちなのだそうです。で、年が明け1月になると、初度登録が前年1月であっても12月であっても一律に1年半落ちという扱いになり、7月になると2年落ちという扱いになるとのこと。この時期の設定は、私にとって盲点でした。
つまり、同じクルマを購入する場合でも、12月の登録と1月の登録では税額に違いが生じうるのです(6月登録と7月登録でも同様)。同じ理由により、初度登録が12月の中古車と翌1月の中古車では、登録自体は一カ月しか違わなくても年式は1年違うことになり、新車時価格が同じでも取得税額が12月登録の中古車の方が安くなる可能性があります。
ま、とはいってもその違いは数千円のことが大多数なのでそれほど気にしなくてもいいのですが、大きく違いが出るのはその差によって取得価格が免税になるかどうかが変わる私のようなケース。
以下、新車時価格帯別に取得価格が免税になる時期を記しますので、自分の探しているクルマの新車時価格と落ち年数が絶妙に重なる方は、購入時期、および購入車の年式(初度登録年)をちょっとだけ意識してみると、もしかしたら2万6000円ほどの取得税が浮くかもしれませんよ。
新車時価格/取得価格50万円以下となる時期
~99万円/1年半落ち
~119万円/2年落ち
~145万円/2年半落ち
~175万円/3年落ち
~212万円/3年半落ち
~258万円/4年落ち
~313万円/4年半落ち
~380万円/5年落ち
~459万円/5年半落ち(←私のCクラスはここに該当しました)
~555万円/6年落ち
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