若いユーザーの心に刺されば、案外売れるクルマになるのでは
フルモデルチェンジを受けたbBはけっこう難しいクルマだなという印象です。トヨタのミュージックボックスというキャッチフレーズが示すように、単なるクルマとしてではなく、クルマが本来的にも持つ機能以外の部分で勝負しているクルマで、従来からの一般的な自動車評論で評価できるクルマではないように思えるからです。といって自動車評論家たるものbBと向き合わずに逃げるわけにはいきません。試乗後の評価は来年以降になりますが、取り敢えず見た目の印象をきっちり評価しておきましょう。
外観デザインは相当に妖しげなものになりました。従来のbBがちょっと悪っぽい雰囲気を持つことで人気を集めたのに対し、今回のモデルはさらに妖しい雰囲気です。嫌いというユーザーがいるかも知れませんが、けっこうウケそうなデザインだと思います。インテリア回りはデザインの目新しさというより、照明付きのスピーカーやコントローラーなどが注目されるところです。これは明るいところで見たのではダメで、夜になると本領を発揮します。
今は夕方5時くらいなら十分に暗いので、夕方にショールームに行けばしっかり確認できるでしょう。ただ、グレードによってスピーカー数が異なり、最上級グレードのQバージョンでないと9スピーカーにならないので、bBを買うときにはQバージョンを基準に考えることになるのでしょう。まったりモード付きのシートは全車に標準で装備されています。
新しくなったbBですが、クルマとしての機能は必ずしも進化したとはいえない面があります。ボディサイズを縮小したために、ホイールベースの延長によってカバーした部分があるものの、室内空間は従来のモデルに比べるとやや狭くなっています。これはプラットホームがヴィッツ系からパッソ/ブーン系に変更されたことも影響しているでしょう。搭載エンジンは1.3L、1.5Lで、いずれも生産を担当するダイハツ系のもの。名前はbBのままですが、中身ははかなり変わったと見るべきかも知れません。
ファンカーゴから変わったラクティスはヴィッツ系のプラットホームを継承しましたが名前が変わり、bBは名前は変わりませんでしたがプラットホームが変わりました。そんなこともあって、ラクティスで採用されたスーパーCVTがbBには採用されず全車とも4速ATが組み合わされています。このあたりの微妙な違いはおもしろいところというか、トヨタグループの開発部門の懐の深さを感じさせるものともいえます。
価格は最上級グレードの1.5Z Qバージョンだと170万円ほど。これにオプションのカーナビを装着すると27万円ほどで、サイドSRSエアバッグやVSCなどの安全装備を追加するとそれぞれ6万3000円です。少々の値引きがあったとしても、オプション付きの車両価格ベースで200万円級のクルマということになります。価格的にはちょっと高いなという印象ですが、デザインやオーディオが若いユーザーの心に刺されば、案外売れるクルマになるのではないかと思います。
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